オフィスグリコの成功には、いくつかのポイントがある。
1つは、エリアを限定しているという点だ。首都圏の場合、東京23区でも世田谷区や北区などオフィスが少ないエリアはサービス対象とはしていない。また、川崎、横浜は対象だが、千葉、大宮などは対象エリアから外れている。
一方で、高層オフィスビルの建設が続いている虎ノ門、品川、築地といったエリアは新たに販売センターを開設して、きめ細かく対応している。効率性を重視したサービス網の構築は、複写機の販社が、単価の低いコピー用紙を1パックでも届けることができる仕組みを確立するためにとった手法と同じだ。
「2020年に向けて、首都圏ではオフィスビルの建設が相次ぐ。それに向けて、販売センターの拡充を柔軟に行っていきたい」とする。
販売センターで働く600人のスタッフも、オフィスグリコの成功に重要な役割を果たしている。メーカーである江崎グリコにとって、自らが流通に携わることになるオフィスグリコの展開には、そのノウハウを持たないが故に大きなハードルがあった。だが、直接の顧客接点を担う販売センターのスタッフは、主婦を中心に構成し、わずか5〜10分という短時間で、きめ細かくユーザーの声を聞き、これを次のサービスへと生かす役割を担ってきた。2015年度からは、より購入しやすいように大型什器を用意したが、これもユーザーの声を反映したものだ。
「大型什器の展開や、設置場所をどこにするのかといったことも、お客さまと、販売センターのスタッフが一緒になって作り上げてきたものである」と古藪社長は語りながら、「商品補充や代金回収を行うサービススタッフは、オフィスとグリコの関係を作るという大きな役割を担っている。その笑顔が、オフィスグリコのファンを増やすことにつながっている」と、販売センターのスタッフの存在が、オフィスグリコの成長に不可欠であることを強調する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング