フィンランドを本拠地とするフィンエアー(フィンランド航空)が5月8日、フィンランドの首都・ヘルシンキと福岡を結ぶ便を就航させた。現在の搭乗率は70〜90%で、新規路線としては良好とのことだ。
実はフィンエアーと日本の関係性は深い。1983年、成田空港から北極圏を通り、初めてノンストップで欧州へ飛んだのがフィンエアーだった。これにより、それまでは米国・アラスカ州アンカレッジで乗り継ぎし、欧州へ向かうのに18〜19時間かかっていた飛行時間が、約12時間40分ほどに短縮された。
さらにその所要時間は短縮され、今や福岡発ヘルシンキ行きの便(週3往復)は約9時間30分だという。
アジア各都市への距離の近さが特徴的な福岡と、日本から最短距離にある欧州の空港、ヘルシンキ。アジアと欧州それぞれのゲートウェイとも言える両者の距離を格段に近付けた今回の就航の狙いとは。フィンエアー 福岡支店 西日本統括支店長の堀田博之氏に聞いた。
――福岡空港に就航した狙いについて教えてください。
堀田: 2、3年ほど前から市場のリサーチを進めていました。本社の大きな方針の1つに、ヘルシンキを中心にして、欧州と日本、中国、韓国を結ぶというものがあります。実際、アジアでも非常に就航都市は多いです。
日本については既に東京、大阪、名古屋に就航しています。そして、ヘルシンキからはマドリッド、ローマ、ミラノ、プラハ、ブタベスト、ロンドン、パリといった欧州主要都市に便利にアクセスできるのが特徴です。
このように、ネットワークを整備してアジア各都市と欧州各都市をより近づけるべく、2020年までにアジアへの就航を2010年比で倍にしようという狙いがあります。この計画の中で福岡への就航が決まりました。
自社だけではなく、日本をはじめとするアジアではJAL(日本航空)、欧州ではブリティッシュ・エアウェイズなど、加盟しているワンワールドのネットワークも生かして各都市をつないでいきます。
――福岡就航によって期待することはありますか?
堀田: 九州から唯一の欧州便の就航ということで、レジャーでもビジネスでも九州からますます海外への渡航が増えるよう期待します。また、九州の歴史文化の魅力を広く欧州都市へ紹介したり、グローバルな経済活動を促進したりできるよう、フィンエアーはその架け橋になりたいと考えています。
――日本やアジアの他都市(空港)と比べて、福岡が優れていると感じている点はありますか?
堀田: 福岡は国内線と国際線が同一空港内にあり、国内からのハブとして十分な機能を持っています。また、市内から空港へのアクセスが非常に良い点も大きいです。
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