コラム
» 2016年07月08日 10時43分 UPDATE

そもそも音楽は反体制なのかどうなのか問題 (2/6)

[堀田純司,ITmedia]

 私たちは「終戦→高度成長→バブル→崩壊→その後の混迷」という歴史を、自分たち固有の物語のように思ってきましたが、メタ的に見ると、実は重点や時期が違っていただけで、西側諸国はどこも戦後、同じような道筋をたどってきた。

 社会学では「総力戦体制」と呼ばれていますが、20世紀中葉、諸国は国家資源を総動員する総力戦を戦った。そして戦後、その体制を生産にスライドさせ、史上空前の大発展を成し遂げていくのです。

 日本においては野口悠紀雄氏が「1940年体制 ―さらば戦時経済」で、戦後日本の制度が、実は戦時に起源があったことを指摘していますが、実はこの事情はどこも共通していました。

 この戦後の成長期は、人類史上、空前の大発展で、『ALWAYS 三丁目の夕日』のように、あの時代を懐かしく思う声は多いです。しかしリアルタイムの実感はどうだったのか。「みんなでがんばる」という一体感はあったものの、なんと言っても元が戦時体制だけに、非常に重苦しくもあった。「自由」がないと感じられていたのです。

 まさに「大きな政府」の時代。中心に国があって、その国と一体になって護送船団を形成する「会社」がある。そしてその会社で働く企業戦士を「学校」が養成していた。

 そうしたガチガチに構築された社会システムの「歯車のひとつ」となるのが「大人の生き方」でした。しかしそうしたシステムに対して、当時の若者は「個人の創造性が発揮されない」「そんな生活は人間らしくない」と反発した。

 60年代に、学生を中心にして「ヒューマン・ビーイン」(Human Be-In)という人間性の回復を目指す運動が盛り上がり、世界的に波及していく。もちろん当時、勃興していたポピュラー音楽もこの波の影響をもろに受け、相互に波及を呼び、1969年8月に開催された「ウッドストック・フェスティバル」として結実していきます。

photo ウッドストック・フェスティバル=Derek Redmond and Paul Campbel (CC 表示-継承 3.0

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