コラム
» 2016年07月08日 10時43分 UPDATE

そもそも音楽は反体制なのかどうなのか問題 (3/6)

[堀田純司,ITmedia]

「大きな物語」が終わり……

 アメリカではベトナム戦争に対する反対、日本では日米安保条約への反対など、さまざまな契機はありましたが、その根幹にあるものはこの、20世紀の「自由がない社会システムへの反発」であり、その反発はシステムを構成する「会社」や「学校」、そして「大人」への怒りとして拡散していきました。

(ただ当時をリアルタイムに経験してきた人は、もはや結構なお歳。私もそうですが、現役世代の多くは、後追いだったのではないでしょうか)。

 しかし70年代後半から80年代にかけて、イギリス、そしてアメリカで「大きな政府」から、自由と自己責任の「小さな政府」への転換がはじまる。哲学者ジャン=フランソワ・リオタールの言うところの「大きな物語」の終焉です。日本も中曽根政権の時にこの流れに追随し、後の橋本政権、そして小泉政権へとバトンが渡っていくことになります。

 この時代、音楽も変容し「ニューロマンティック」「産業ロック」といった、わりあいにあっけらかんとした分野も台頭します。

 国も社会も人も新しい時代の生き方を模索していくようになる。さらに90年代に入ってバブルが崩壊した日本では、この模索そのものがテーマになった。「自分探し」の時代です。

photo ニューロマンティックの火付け役となったデュラン・デュランは今も活動中

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