自分の“市場価値”を換算してみてはいかが?銀座で学んだこと(3/3 ページ)

» 2016年08月01日 06時00分 公開
[桃谷優希ITmedia]
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自分の市場価値は妥当か

 先の方法で自分の価値を算出して、「こんなものか」と思った人はどうすればいいのでしょうか。成績を倍以上に伸ばすか、はたまた違う道を進むのかを選択するほうがいいのかもしれません。

 「サラリーマンでいることに何の迷いもなかったけれど、ある日、給料明細を見て『会社が考えるオレの価値ってこんなものか』と思ったら、勤めるのが急にバカらしくなってね。会社を辞めて今の道を選んだよ」とおっしゃるのは、現在、投資会社を経営しているAさん(50代)。

 「人の価値をお金に換算することはできないけれど、雇われている間は会社から出る給料がその人の評価。商品は時期を考えないと売れないけれど、会社はそんなの関係なく『とにかく売ってこい』の一点張り。どんなにがんばっても数字が伸びなければ、給料に反映されないというのに疲れてしまってね。『このままサラリーマンとして終わっていいのか』と考え、『勝負しよう』と思いリスクを取って独立した。独立したばかりのころは金策や人間関係などで苦悩もあったけれど、それでも独立をしてよかったと思っている。今は時間に縛られない生活ができているし、旅行はオフシーズンに安く行けるしね」と、Aさんは笑います。

 「本来、自分の価値は自分が一番よく分かっている。『この評価は違う』と思ったら、その会社のキャパに自分が収まらないほど成長したという証だよ。自分の人生なんだから、自分がカジを取らないと。世間や周りに流され続けていたら、そこから抜け出せなくなる。生かすも殺すも自分の決断次第だ。僕は、今の選択をしてよかったと思っているよ」


 命はお金では買えませんが、日々何かしらとお金は密接に絡み付いてきます。しかし、自分の今の市場価値をはじき出すことによって、それが妥当なのか高いのか、はたまた安いのか――それを客観的に見れば、今の仕事への思いや時間の使い方が大きく変わるかもしれません。

 お盆休みで少し時間があったら、ぜひ自らの市場価値を換算してみてください。

桃谷優希氏のプロフィール:

 1988年10月16日大阪府生まれ。16歳のときに処女作『デリンタ(悪魔の子)と呼ばれた天使たち』(文芸社)でデビュー。このほか『国民の声』(文藝書房)に寄稿、『罪追人』(文藝書房)がある。

 京都ノートルダム女子大学卒業後、北新地のクラブへ。その後、銀座に移籍。銀座40周年の老舗「クラブセントポーリア」でナンバーワンの座を手にして、その後26歳の誕生日に某有名店のママに就任。2015年12月、銀座7丁目にクラブ「城」をオープン。


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