成功した人の共通点は? 「小さなこと」に動じない銀座で学んだこと(1/3 ページ)

» 2016年06月27日 08時00分 公開
[桃谷優希ITmedia]

 「出る杭は打たれる」という言葉があります。ご存じのとおり、才能があって抜きんでている人はとにかく憎まれるとか、差し出たことをすると非難され制裁を受けるという意味です。

 では、出過ぎた杭はどうなるのでしょうか。もう打たれないかというとそうではなく、出過ぎたら抜かれます。職種や業種に関係なく、上を目指していて、打たれたり、抜かれたり――このような経験をしたことがある人も多いのではないでしょうか。

 しかし、この2つの力に負けることなく成功した人たちは、ただの杭ではないようです。杭ではなく、まるで大木のように小さなことには動じないほどの存在になっているのではないでしょうか。

 今回は、打たれても抜かれようとしても、成功したビジネスパーソンの事例をご紹介しましょう。

重要なのは応援してくれる人がいること

 とある有名和食店のお話です。現在、「予約は3〜4カ月待ち」と言われるほどに繁盛していますが、オープン当初は1年以上も閑古鳥が鳴いているような状態でした。

 飲食店の経営には人件費や家賃がかかるうえ、食品の鮮度も落ちますから、お客さまがいないと大きな損失になります。赤字経営が続いたときに「生意気に独立するからこうなるんだ」「若造が思い上がりもいいところだ」などと、他店からの圧力や嫌がらせがあったそうです。

 いわゆる“自転車操業”だったのに、なぜこのお店は営業を続けることができたのでしょうか。理由のひとつに、とある人の存在が大きかったようです。80歳近いご高齢のAさんは毎日、店にお客さんを連れてきていました。そのAさんに話を聞くことができました。

 「メニューも他の店と大して変わらないんだけどね。でも、『絶対この店は流行る。負けるな』という気持ちが僕にはあった。だから、家に帰るような気持ちで毎日行ったよ。もちろん、店主に『何が何でもやり通す。逃げない』という根性がなかったら、僕も毎日通おうとは思わなかっただろうね。自分もそうだけど、人間というのは、そんなすぐに成功できないから。成果が出ない時期を耐えて今がある。周りが何を言っても関係ない。こうと決めたら、自分を信じてとことん突き進むしかないんだ」

 とはいえ、毎日通うには、それなりの理由があったはず。さらに詳しく尋ねると、Aさんはこう続けました。

 「重要なのは、1人でも応援してくれる人がいるかどうかということ。誰かしらいてくれれば伸びしろがあるけれど、周りに誰もいなかったとしたら、それはやり方が間違っている」

 吹けば飛んでしまうような和食屋さんが、今では「業界のドン」と呼ばれるほどに成長しました。規模が大きくなればなるほど、お店を非難する人は少なくなったそうです。そして、いまでもAさんは、このお店に通っていて、いつもの席が毎日リザーブされているそうです。

重要なのは応援してくれる人がいること(写真と本文は関係ありません)
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