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» 2016年08月23日 08時00分 公開

スピン経済の歩き方:高齢者カモ疑惑 PCデポの「初動対応」があまりにもお粗末だったのはなぜか (2/5)

[窪田順生,ITmedia]

事態が悪化した理由

 今回、PCデポはどういうわけかそれをまったくやらなかった。

 実は炎上後も、「サービスの手厚さを考えたら適正なのでは」「この情報だけでは判断できない」という反応をみせたネットユーザーもそれなりにいた。そんな擁護・中立派が、「クソ企業、死ね」「潰れてしまえ」という声に呑み込まれていくのを、PCデポは丸1日ただ指をくわえて見ていたのだ。

 さらに、事態を悪化させたのは、「声明」の中身である。

 『この度は、弊社のサービスに関しインターネット上をお騒がせし申し訳ありません。ご契約者様とご家族の皆様には、ご理解・ご納得いただけるよう働きかけをしてまいる所存です。またお客様、特に高齢者のお客様に弊社のサービスをより十分ご理解いただきご契約いただけるよう改善策を検討して参ります』

 多くの人が指摘するように、かなり「上から目線」の印象を与える声明だ。また、行間からは、「我々はちゃんとやってますが、どうにもアレ的な人がいて困っちゃって」というメッセージが伝わってくるが、契約や説明方法が適切だったという根拠が示されていないため、言い逃れにしか聞こえない。

 個人の契約内容は明かせないため、この程度の表現しかできないんだよ、という意見もあるかもしれないが、個別のケースではなく、一般的な高齢者との契約を交わす際、どのような点に留意をしているのか、従業員教育を行っているのかなど、平時の取り組みなどを述べることだってできる。

 実際、8月16日夕方には、弁護士ドットコムの取材に対して、「サービスの契約の際は、重要事項にマーカーを引きながら説明するなど、ルールに則って対応している」と自社の正当性を訴えている。また、翌17日に出した「改善策」の中には、『現在は75歳以上のお客様が新規にご加入される際、加入後1カ月以内のコース変更及び契約の解除を無償にて承っております』と、現時点でも高齢者との契約に一定の配慮をしていることを匂わす説明が含まれている。

8月17日にリリースされた「弊社プレミアムサービスご契約のお客様対応に関するお知らせ」(出典:PCデポ)

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