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» 2016年08月23日 08時00分 公開

スピン経済の歩き方:高齢者カモ疑惑 PCデポの「初動対応」があまりにもお粗末だったのはなぜか (5/5)

[窪田順生,ITmedia]
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小売業の感覚をいまだにひきずっている

 PCデポも同様の問題はなかったか。

 息子さんの投稿に即座に反応しなかったのも、なんの根拠もなく、「上から目線」のコメントを出したのも、これまでの過去の事例から考えても、本件がここまで深刻な事態に発展しないと高をくくっていたのではないか。

 『世界に誇れる「ITコンシェルジュ」』をうたうPCデポはもはや物販というより、サービス業へと転身を果たし、3期連続の最高益を叩き出している。

 ならば、理屈としては、クレームに関しても、コンシェルジュのようなきめ細かい対応をしなくてはいけない。少なくとも、ホテルのようなサービス業らしく振舞うべきだろう。

 しかし、現実はそうなっていない。「契約の正当性」押しでゴリゴリ進むその姿は、格安スマホやタブレットに光ファイバー契約をのっけてとにかく契約を結ばせちまえばこっちのもんよ、という小売業の感覚をいまだにひきずっているように見えてしまう。

 Webサイトで野島社長は、CSR活動として、『店舗を通じて地域のお客様の情報格差(デジタルデバイド)解消』を掲げていらっしゃる。

 この素晴らしい理念を実現していくためにも、まずは広報部でも設置して、自社の論理と、世間の感覚の格差解消に取り組んでみてはいかがだろうか。

窪田順生氏のプロフィール:

 テレビ情報番組制作、週刊誌記者、新聞記者、月刊誌編集者を経て現在はノンフィクションライターとして週刊誌や月刊誌へ寄稿する傍ら、報道対策アドバイザーとしても活動。これまで100件以上の広報コンサルティングやメディアトレーニング(取材対応トレーニング)を行う。

 著書は日本の政治や企業の広報戦略をテーマにした『スピンドクター "モミ消しのプロ"が駆使する「情報操作」の技術』(講談社α文庫)など。『14階段――検証 新潟少女9年2カ月監禁事件』(小学館)で第12回小学館ノンフィクション大賞優秀賞を受賞。


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