また、PCデポは適格消費者団体「埼玉消費者被害をなくす会」から2015年10月に、「スマートフォンのサポートサービス契約における解約金条項」、2016年6月には「機種変更時に表示された料金ですべてのサポートサービスが受けられると誤認させる料金表示」を問題として指摘されている。これを受けて、PCデポは8月を目処に規約を改定するなどの改善をする予定だと回答していた。
さらにもっと過去に遡(さかのぼ)れば、PCデポの野島隆久代表取締役社長がかつて勤務し、兄が社長を務めるノジマ電気も2011年10月に、通信サービス契約とセット販売していたPCの価格を「1円」にしていたことが景品表示法違反(有利誤認)にあたると、適格消費者団体「消費者機構日本」が改善を申し入れしたこともある。
要するに、今回の炎上案件以前にも、PCデポの経営層というのは数多の消費者トラブルを経験しており、その中にはまさに現在進行形で対応にあたっていたものもあったのだ。
これは裏を返せば、PCデポは消費者団体などから問題視されても、大きな社会的制裁を受けることなく、なんとなくうまくやり過ごしてきた組織ともいえる。
企業広報のアドバイスを仕事にしていると、こういう「トラブル慣れした企業」に限って、顧客をバカにしたような対応をしてしまう場面をよく見る。トラブルが多ければ、反省して真摯(しんし)に対応をするようになるんじゃないの、と思うかもしれないが現実は逆だ。
三菱自動車の不正隠しなどは典型的なケースで、大きなトラブルを乗り越えるたびに、消費者に対する恐れが薄れてしまう。あれが大丈夫だったんだから、これもイケるだろと企業モラルのハードルも下がっていき、その結果、消費者の怒りに鈍感になってしまうのだ。
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