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» 2016年09月01日 07時18分 公開

読書で「寿命が伸びる」のは本当か世界を読み解くニュース・サロン(2/4 ページ)

[山田敏弘,ITmedia]

本を読むことは健康に効果があるのか

『ソーシャル・サイエンス&メディスン誌』に掲載されたある論文が注目されている(写真と本文は関係ありません)

 いま、2016年9月号の『ソーシャル・サイエンス&メディスン誌』に掲載されたある論文が欧米メディアで注目されている。「読書と長生きの関連性」と題されたこの論文は、米イエール大学の疫学・公衆衛生研究室によって行われた研究の結果をまとめたものだ。同研究所は「本を読むことに健康効果があるのか」という素朴な疑問から調査を開始したという。

 研究結果によれば、1週間に最大で3時間半の読書をする人は、本を読まない人と比べて、その後の12年間で死亡率が17%も低くなることが分かった。それ以上に読書をする人は、23%も死亡率が低かった。また読書をする人たちは、読書をしない人と比べて平均で2年ほど長生きすることが判明したのである。ちなみにこの研究で使われたのは実際の書籍で、新聞や雑誌は含まれていない。

 論文の共同執筆者であるベッカ・R・レビー教授は、「財産や学歴、認識能力やそのほかの変数を考慮して調整しても、延命効果は変わらなかった」と取材に対して述べている。つまり長生きしたければどんどん本を読んだほうがいいのである。

 実は、読書が体にいいという研究はあちこちで目にする。シカゴにある世界的に有名な米ラッシュ大学医療センター病院は、成人が休憩時間などに読書のような知的な行為を行うと、将来的な「認識能力の衰退」が32%も遅くなる、と研究で報告している。読書は脳を若く保てるということらしい。

 また英サセックス大学の研究によれば、読書を30分するとストレスが68%も軽減されることが分かっている。音楽を聴いたり、TVゲームをプレーするよりも断然ストレス解消の効果があったという。本に没頭することで体は筋肉の張りなどを忘れがちになる傾向があり、リラックスできるようだ。

 米ミネソタ州の総合病院、メイヨー・クリニックは、睡眠への導入としても読書は体にいいと報告している。さらには、読書をする人はアルツハイマー病になる比率が低くなるという研究結果もあるし、スコットランドの研究では鬱(うつ)にも効果があり、「読書療法」と呼ばれて実践されている。

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