米ハーバード大学の出版社が発行するハーバード・ビジネス・レビュー誌は、「歴史的にも熱心な読書家や、物書きだった偉大な指導者たちは大勢いた。また幅広く深い読書が、組織を改善するための知識や習慣、才能を養ってくれたと考えているビジネスリーダーたちも数多い」と書いている。またIT文化を生み出すシリコンバレーの中心地である米名門大学のスタンフォード大学には、MBA向けに、読書を通してビジネス世界とリーダーシップを探求する、という趣旨の授業を提供している。
現代社会では、比較的静かな環境でそれなりの時間を取らなければいけない読書は、かなり「非日常的」な行為だと言える。事実、冒頭の文化庁の調査によれば、日本人が読書をしない最大の理由は「仕事や勉強が忙しくて読む時間がない」からだった。
しかし読書がビジネスで成功するヒントを与えてくれるだけでなく、健康にも効果があるというのなら、そのための時間を確保する価値はあるのではないか。
今年の秋は、本を手に取ってみてはいかがだろうか。
山田敏弘
ノンフィクション作家・ジャーナリスト。講談社、ロイター通信社、ニューズウィーク日本版に勤務後、米マサチューセッツ工科大学(MIT)でフルブライト研究員を経てフリーに。
国際情勢や社会問題、サイバー安全保障を中心に国内外で取材・執筆を行い、訳書に『黒いワールドカップ』(講談社)など、著書に『モンスター 暗躍する次のアルカイダ』(中央公論新社)、『ハリウッド検視ファイル トーマス野口の遺言』(新潮社)がある。
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