アラフォーの鬼編集者に囲まれつつも、毎日必死で記事を書いている新人のスズキとアオヤギ。元高校球児で“史上最強の応援団長”の呼び名を持つスズキと、家にいるのが何よりも好きな女オタクのアオヤギ。平成生まれの2人が「最近気になること」に突撃していきます。連載バックナンバーはこちら。
青柳 プロ野球の広島東洋カープ、25年ぶりのリーグ優勝! 地元・広島の盛り上がりが話題になっていますね。
鈴木 僕は東北楽天ゴールデンイーグルスファンなので、セ・リーグのカープ優勝は素直にお祝いができたな。25年は長かったよね……おめでたい! カープファンは「生まれてからずっとカープ一筋」のファンも多いし、喜びもひとしおだろうな。
青柳 実は私、ウルトラインドア派だったので、野球にあまり詳しくなくて……。学校の授業で野球をやったことはあるんですが、推し球団もないし、野球観戦に行ったこともないんですよね。
鈴木 それはもったいない。よく「政治・宗教・野球の話題はNG」というけど、知っていると会社でも話が盛り上がるよ。カープファンに教わってきたらどうかな?
青柳 行ってきます!
プロ野球の広島東洋カープが、25年ぶりのセ・リーグ優勝を果たした。地元・広島は大喜びで、優勝が決定した9月10日の市街はお祭り騒ぎで、スーパーやデパート、飲食店はこぞって優勝セールで割引・無料キャンペーンを開催した。関西大学の宮本勝浩名誉教授によると、経済効果は331億4916万円にも上るという。
カープのファンは、今どんな気持ちなのだろうか。また、カープという球団にはどんな魅力があるのか、「カープ女子」に正直どんな思いを抱いているのか――アラフォーのカープファン、タツカワさん、キクチさん、アライさん(仮名)の3人に話を聞いた。
――まずは、リーグ優勝本当におめでとうございます。優勝が決まったときは、さぞ大興奮だったと思うのですが……あれっ、なんだか表情が複雑ですね。
タツカワ: 25年、長かった……。
キクチ: 優勝はうれしいんです。うれしいんですけど……ずっと優勝してなかったから、よく分からない気持ちになっている。ここ十数年、野球観戦の時に“優勝争い”を意識したこともなかったので。
アライ: 分かります。優勝慣れしてない。「マジックってどう減るんだっけ……?」と思い出しながらのシーズンでした。これはファンだけじゃなくて、現役選手も同じだったみたい。菊池涼介選手はヒーローインタビューで「マジックとかよく分からない」と言ってましたね(笑)。
キクチ: でもそれは無理もないですよね、今の現役選手は全員優勝争いを経験してないから。ずっと5位が指定席。「安定の5位」「5位力が強い」なんて称されていた(苦笑)。
アライ: 優勝争いじゃなくて、Aクラス(リーグ内3位まで)に残るのがファンの願いだった。こいのぼりが上るまでは調子が良かったりするんですけど、後半になると失速していく。去年のFacebookを見てると、今年よりずっとヤキモキしている(笑)。「頼むからAクラスに残ってくれ!」と。結局最終戦で負けて4位になってしまいましたけど……。
キクチ: そんなカープがついに優勝。しかも圧勝ですよ。
タツカワ: 若干圧勝しすぎたくらい……。ちょっと1996年の「メークドラマ」(※巨人に最大11.5ゲーム差を逆転され優勝を逃し、カープファンのトラウマになっている)を思い出しました。でもそれを乗り越えて優勝してくれたので、本当にうれしい。
――これまで低迷していたカープが優勝できたのはなぜでしょうか。
タツカワ: 「これまで低迷していた」というのは正確ではないですね。最後に優勝した1991年以前は、優勝争いによく食い込むチームだった。その後も、94年から98年にかけての三村敏之監督時代だって奮闘していたんです。……確かに2000年代は不調だったけど。
アライ: でも、ここ何年かは「強くなってきている?」と感じているファンが多かったのでは。
キクチ: 強くなってきていたし、球団自体が盛り上がってきていた。そのきっかけになったのは、球場が新しくなったことじゃないでしょうか。09年に初代の広島市民球場からMAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島(マツダスタジアム、通称ズムスタ)に変わって、グッと観客動員数が増えた。
アライ: 新しいファンもすごく増えたし、ファン層も変化した印象です。それまでの場内はおじさんがたくさんいたけど、ズムスタになってからは家族連れを見かけることが一気に増えた。
キクチ: 10年は元カープ主将の野村謙二郎が監督になって、13年には球団初のCS(クライマックスシーズン)に進出。若手もどんどん成長していった。
タツカワ: 去年は前評判が高くて、優勝するんじゃないか、優勝はできなくてもAクラスは確実――とみんなが思っていたところの逆転4位で崩れ落ちたけど(苦笑)、むしろ今年が開花の年でしたね。若手が大爆発して、圧倒的な主力になった。まさか鈴木誠也選手が首位打者争いをするほどの活躍をみせるとは……!
アライ: あと、昔からのファンとして非常にアツいのは、かつて現役時代に優勝を経験した選手たちが、監督やコーチとして帰ってきていることですね。緒方孝市監督もそうですし、高信二ヘッドコーチも91年の優勝シーズンではスタメンだった。ストーリー性を感じてしまいます。
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