要するに、「IR」というのは世界中からファミリー客なども訪れる「リゾート」なのだ。共産党のみなさんが騒いでいるように豊洲が汚染された土地・水質が事実ならば、もっとも適していないのは言うまでもない。
安全性に問題がなくとも、イメージが悪すぎる。「日本人は汚染された土地で、外国人をおもてなししている」なんて大騒ぎをする海外メディアもあらわれるかもしれない。
こういう視点が、「豊洲カジノ」を唱える方たちにはゴソッと抜け落ちている。彼らの頭の中で「カジノ」というのは「IR」に含まれる施設ではなく、昔のギャング映画などに登場するマフィアや娼婦がウロウロする「怪しげなギャンブル施設」のままで止まっているのだ。
ただ、その一方で豊洲問題や膨らみ続ける五輪開催費の問題が注目を集めることで、このような「カジノ」に対するギャップが埋められていく可能性がある。
「公費を投入した巨大ハコモノ」に対して、世の中の人々がこれまで以上に厳しい目を向けているからだ。
このあたりは、『文春』『新潮』をはじめとする週刊誌が動いているので、遅かれ早かれ全貌が明らかになるはずだが、ここで重要なのは「公費を投入した巨大ハコモノ」をつくれば、政・官・民がみんなハッピーになるという「三方よし」がもはや通用しなくなってきているという事実だ。
「都議会のドン」と呼ばれる内田茂前幹事長はじめとする自民都議、行政組織のトップである石原慎太郎さんたちに疑惑の目が向けられているだけでなく、最近では、東京ガスにまで火の粉が飛んでいる。一方、「五輪のドン」である森喜朗さんも世論の風当たりが強い。こういう論調が高まれば当然、「公費でハコモノなんてとんでもない」というのが社会の常識となっていく。
だが、その一方で巨大建造物というモノも確実に必要となってくる。「観光立国」のためだ。
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