商品の大きさが売り上げに影響した例として筆者の記憶に残っているのが、1リットルのペットボトルの形が変わったことだ。
覚えている人も多いと思うが、かつての1リットルサイズのペットボトルは、500ミリリットルのボトルをそのまま拡大したような形状だった。当然、その大きさでは500ミリリットルの棚には並べられないし、2リットルの棚では上にすき間ができてしまう。
先にも書いたように、コンビニは「裏の事情」を見せたくないので陳列のすき間ができるのを嫌う。それまでも1リットルのペットボトルはあったが、品ぞろえとして根付いていなかった。その理由の1つに「陳列がしづらい」ということもあったのではと筆者は考えている。
そういう現場の声と商品の売れ行きを踏まえてか、メーカーが次に考えた1リットルのボトルは、高さは500ミリリットルのボトルと同じままで横幅を広げたのだ。
実際、多くの店でこの形状のペットボトルが売り上げを大きく伸ばしたと聞く。入荷してもコンビニ側は陳列棚を調節する必要はない。500ミリリットルの商品の数を調整してスペースを空けるだけで済むので導入が早く、すぐに販売へ転じることができたのだ。
また、お客さんにもメリットがあった。高さのある商品は持ち歩くのに邪魔になる。特に暑い夏は「たくさん飲みたいがバッグからはみ出るのはイヤだ」と考える人が多い。それまでの1リットルのボトルとは違い、横幅は広くなってもバッグに入れたときにはみ出ないこの形状がウケたようだ。
現在ではこの形に限らず、さまざまな1リットルサイズのペットボトルがあるが、どれも500ミリリットルと同じ高さを意識した形になっている。
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