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» 2016年10月13日 06時00分 公開

子どもの写真をアップしまくって大丈夫なのか 親が知らない「本当の危うさ」世界を読み解くニュース・サロン(2/4 ページ)

[山田敏弘,ITmedia]

深く考えずに無防備のまま写真を掲載

深く考えずに子供の写真をネット上にアップする親が多い(写真はイメージです)

 18歳ともなれば、進学で新しい生活を始めることもあるだろうし、就職をする人もいるだろう。だが誰かがインターネットで自分の名前を検索すると、子供時代に「裸でおまるに座る」写真などが出てきてしまったら、それをショックに感じる人は少なくないはずだ。同級生や同僚になったばかり、またこれから知り合っていく人たちが自分の「歴史」を知っているなんて、あまり気持ちのいいものではない。

 日本でも子供の写真を頻繁に、大量にSNSやブログなどでシェアしている人は少なくない。例えば芸能人も子供の写真をアップする人は多いが、セキュリティーの問題もあり、顔をぼやかすなど個人が特定できないようになっている場合がほとんどだ(子供を有名にする目的で公にしている場合もある)。だが一般人で子供の写真を公開している人の中には、深く考えずに無防備のまま写真を掲載してしまっている人もいる。

 Facebookなど公開範囲が指定できるものでも、制限なく写真を公開しているケースも見受けられる。こうしたケースでは、ひょっとしたら将来的に子供から訴えられてしまう可能性も出てくるかもしれない。欧米でも、SNSは比較的新しいメディアということもあり、今後何年かすると、今では想像できないような何らかの「反発」が子供側から出てくるかもしれないと、専門家らは警告している。米ミシガン大学とワシントン大学が2016年に発表した、249組の親子を調べた調査結果では、10〜17歳の子供たちの多くは親が自分のことをインターネット上で公表することに「かなり心配している」と答えている。

 英国の調査では、両親が子供の写真をシェアする場合、Facebookが一番人気だ。さらに親は平均で、子供が5歳になるまでに200枚、15歳になるまでに1500枚近い写真をSNSにアップするという。英国ではそうした親は「ぺアレント(親)」にからめて、「シェアレント(シェアをする親)」とも呼ばれている。ただ問題なのは、そうした親のうち85%ほどが、公開範囲を制限するセッティングを気にしていないと答えていることだ。また79%は、アップした写真が他人に見られる場合があると思っていないという。

 こうした傾向は、将来的に子供が違和感を覚えてしまうだけでなく、危険でもある。米国のセレブなどについては、インターネット時代より前から、誘拐事件などを警戒して、子供の顔写真をメディアに掲載しないよう暗黙の了解があったと聞いたことがある。現在もSNSではそういう理由から写真のシェアを警戒している有名人もいるはずだ。

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