公衆電話を維持するには、主に3つの作業を定期的に行わなければならない。委託料として多少の収入はあるものの、コンビニのメイン業務とてんびんをかけるとサービスの1つとしてくくれない部分もある。
(1)料金の回収と支払い
1つは、料金の回収と支払いだ。電話機の中のお金を取り出し、1カ月に1回NTTに料金を支払うという流れだ。
今の時代、この作業を毎日行う必要はないだろうが、以前は利用者数が多かったので毎日お金を回収しなくてはならなかった。回収後は本部へ報告するために、レジへの入金と金額を記録しておかなくてはならない。テレホンカードの利用もあるので金額はイコールではないが、回収料金を日々照らし合わせるという作業が発生する。
料金の回収作業そのものは難しいことではないのでアルバイトに任せることもできるが、先にも述べた通り、電話機の中のお金と利用金額は同じではないので、不正の温床になりやすい。仕入れがある通常の商品と違って在庫管理ができないので、現金を持ち出されてしまう可能性もあるので十分な注意が必要となる。
(2)清掃業務
前回の記事で、店内をキレイに見せるために商品を「前出し」しなければいけないと書いたが、美化へのこだわりは店頭の公衆電話も同じ。屋外なので、毎日欠かさず拭き掃除をしないとあっという間に砂ぼこりにまみれてしまう。掃除そのものは取るに足らないことだが、時間や人件費といったコストがかかる。実際に、ひと月当たりのコストを以下の条件で計算してみた。
10(分)×30(日)=300(分)=5時間
5×940(円)=4700円
掃除は難しいことではないし時間もさほどかからないので目に見えにくいコストではあるが、こうして計算してみるとバカにできない金額である。
(3)機器の管理
3つ目は故障時の対応などをはじめとする電話機器の管理だ。屋外にあるがゆえ劣化も早く、故障することもしばしば。故障時にはNTTへの連絡や利用者への告知を行い、専門的な技術を要するメンテナンスはNTTが対応するという流れになっている。
こうした対応が通常の業務にプラスされることを考えると、よほどの要望がない限り、公衆電話の設置をNTTに申請する気にならないのは当然とも言える。
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