KDDIは10月26日、IoT(モノのインターネット)を活用したシステムやアプリケーションの開発から運用・改善までトータルでサポートする法人向けクラウドサービスを12月以降に提供すると発表した。法人向けIoT事業を拡大し、5年以内に1000億円規模に育てたい考えだ。
新サービスは「KDDI IoT クラウド Creator」。IoTに特化した同社の独自開発基盤を提供。「個別に1からIoTシステムを開発するよりも、手軽かつ効率的に開発をサポートする」(同社)としている。価格は内容や期間に応じて個別見積りとなる。
また、開発から評価・改善までの工程(1サイクル)を最短2週間で高速回転させるアジャイル開発手法を採用したのが特徴。アイデアを素早く試したいというニーズに応えたいとしている。自動車、社会インフラ、小売り、農業、医療など幅広い業界の利用を想定する。
同社は2001年から「M2M」(Machine to Machine)分野で事業展開してきた。その知見を生かし、市場拡大が見込まれるIoT分野に注力するため、4月に法人向けIoT事業を推進する新組織を発足した。
既にIoTビジネスに必要な機能を提供する「KDDI IoTクラウド Standard」サービスを提供している一方、IoTで実現したいアイデアは持っていてもその効果や実現方法が分からずに動けない企業が多いという課題もあったという。
同社の森敬一ソリューション事業本部ビジネスIoT推進本部長は「コンサルティングを利用しただけではうまくいかない。アイデアを素早くスモールスタートで実際に実現してみることが重要だと考える企業が増えている。短周期で開発から改善までを高速で繰り返すアジャイル開発手法なら、すぐに効果を確かめることができる」と説明する。
今後の展開については「いよいよ本格的なIoT時代を迎えた。法人向けIoT分野のサービスは今後も拡充していき、4〜5年で1000億円規模に成長させたい」と意気込む。
IoTをめぐっては、NTTドコモも三菱重工業などと連携して基板技術を開発すると発表し、英ARMを買収したソフトバンクグループも最重要課題に挙げている。携帯電話加入者とスマートフォン市場が頭打ちになる中、通信需要を爆発的に拡大させる可能性があるIoTビジネスの強化を各社が急いでいる。
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