社長、それでも自分の「給料」上げますか?マネーの達人(2/3 ページ)

» 2016年11月14日 07時40分 公開
[松山靖明マネーの達人]
マネーの達人

給料を上げるよりもいい方法とは

将来社長: それなら、資金を貯めるもっといい方法があるよ。

目先社長: えっ、給料を上げるよりもいい方法があると言うのかい? 想像もつかないけど……。

将来社長: じゃ、説明しよう。給料を100万円もらったとしても、全額が手取りになるわけではないだろう?

目先社長: 税金やら社会保険料が引かれるからそこは仕方ないよ。

将来社長: そうだね、給料の額と手取りの額には差がある。それが手取りを少なくしている2つの原因だ。

ポイント2

税金と社会保険料が天引きされるので、手取りは給料額面より少ない。


給料が上がると税金と社会保険料も上がる

将来社長: では、その2つを軽減、もしくはゼロにできるとしたら?

目先社長: そんなことはできないだろう。税金も社会保険料も、給料に応じて負担するのが原則だから。

将来社長: そこだよ。実は今、君が言った言葉の中にこそヒントが隠されているのだよ。

目先社長: えっ、当たり前のことを言ったつもりだけど、どういうこと?

将来社長: 実は、僕も君と同じように前期に給料を60万円から80万円に上げようとしていた。でも、顧問の社会保険労務士からアドバイスを受けて、結局そのままの60万円にしたんだ。

目先社長: そうだったのか、詳しく教えてくれよ。

将来社長: まず60万円の給料だと、年間で720万円になる。そこから所得税と住民税が約74万円、社会保険料も105万円引かれて、手取りは541万円程度になる。

目先社長: 君の家族もお子さんは就職しているし、奥さんも君の会社でそれなりの給料をもらっているから、条件は共働きの僕と同じだね。

将来社長: そうだね。それで給料を80万円、年間で960万円にした場合を見てみると、所得税・住民税が135万円、社会保険料は123万円になり、手取りは702万円程度になるのだよ。

目先社長: なるほど。240万円あげても、手取りでは161万円しか上がらないということだ。

ポイント3

給料を上げても、手取りはそれほどまでの実感はない。


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