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» 2016年11月15日 07時13分 公開

コンビニは“マニュアル接客”から脱却できるのかコンビニ探偵! 調査報告書(4/4 ページ)

[川乃もりや,ITmedia]
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マニュアル接客から抜け出すには

 コンビニがマニュアル接客から抜け出す唯一の方法は、膨大な作業を減らすしかないだろう。

 店員の作業負担を減らすのに、機械によるオートメーション化は欠かせない。現在では、お金を入れると自動でおつりが出るレジを導入している店もある。店員の入力作業時間を短縮でき、おつりを間違えることもない。また、商品のバーコードが進化して、非接触型のタグに変わるという報道もある(参考記事:未来のレジ会計はどこまで早く、カンタンになるものなのか?:モバイル決済最前線)。

 これらをうまく導入して、すべてのレジをセルフ化できたとしたらどうだろうか。レジ業務に追われていた店員に余裕ができ、接客の質も向上するというわけだ。

 ただ、技術進歩が必ずしも理想につながるわけではない。便利になる半面、弊害も必ずある。携帯電話がその顕著な例だ。いつでもどこでも連絡ができる便利な時代になったが、それによる不具合も生まれた。筆者がコンビニ社員だったころは、24時間いつでも電話がかかってきて、気の休まる日はなかった。

 コンビニのレジがセルフになりアルバイトの人数が少なくなれば、人件費は削減できるかもしれないが、接客の質は向上するどころか、接客そのものが失われる可能性もある。

 若い人たちは接客を求めないかもしれないが、社会の高齢化が進む今後は「買い物コンシェルジュ」的な役割が必要になるだろうと筆者は考えている。たとえ数秒の会話でも、小さな積み重ねが大事。お客さんが望むモノやサービスを提供することが、顧客満足につながるのだ。

 接客の本質はマニュアルの先にある。人間の仕事が技術に取って代わるとき、コンビニは接客を取るのか、それとも人件費削減に傾くのか――10年後のコンビニが楽しみだ。

著者プロフィール・川乃もりや:

 元コンビニ本部社員、元コンビニオーナーという異色の経歴を持つ。「タフじゃなければコンビニ経営はできない。優しくなければコンビニを経営する資格がない」を目の当たりにしてきた筆者が次に選んだ道は、他では見られないコンビニの表裏を書くこと。記事を書きながら、コンビニに関するコンサルティングをやっています。「コンビニ手稿


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