働く人のうち8割超「老後資金が不安」年金と医療費の先行き心配

» 2016年11月28日 16時12分 公開
[ITmedia]

 ビジネスパーソンの老後の備えは?――日本ファイナンシャル・プランナーズ協会の調査によると、約8割が「老後の生活資金が不安」と答えていることが分かった。

photo 老後の生活資金に関する認識

 「老後の生活資金が不安だ」と答えたのは40代が最も多く、91.0%。次いで50代(86.5%)、30代(86.5%)という結果だった。一方、資金面の不安を抱える人は70代以上が最も少なく、68.5%だった。

 貯蓄額別では、単身世帯の平均値(577万円)を大きく上回る900万円以上の貯蓄がある場合でも、「老後の資金が不安」と答えた人は71.3%にのぼった。貯蓄があっても、生活資金に不安を抱える人が多いようだ。

photo 貯蓄額別の老後の生活資金に関する認識

 老後が不安な理由としては、「年金だけでは生活できない」「病気になった場合の医療費が心配」という声が多かった。「フリーランスで働いているので先行きが不透明」など、働き方が要因となる例もみられた。

photo 不安を感じるポイント

 年金を除いた老後資金の貯蓄方法は、全体では、1位が「預貯金」(40.9%)、2位が「老後も働く」(35.7%)、3位が「金融商品で増やす」(16.7%)だった。「老後も働く」は、20〜60代までは比較的高い割合を占めていたが、70代以上では12.5%まで落ち込み、一定の年齢を上回ると労働以外を選ぶ傾向が顕著だった。

photo 年金以外の貯蓄方法(全体)

 男女別では、男性が「老後も働く」(40.3%)「預貯金」(36.2%)「金融商品」(20.3%)の順で多かった一方、女性は「預貯金」(45.7%)「老後も働く」(31.0%)「保険」(15.0%)の順で多く、女性は保険を貯蓄プランに組み込む場合が多いことが分かった。また、女性の中では、働きざかりの30代に「老後も働く」と答えた人が最も多いことが分かり、社会で活躍する女性が増えた現代ならではの結果とみている。

photo 年金以外の貯蓄方法(男女別)

 調査結果をふまえ、同協会は「病気や介護など予定外の出費に備えた緊急資金を考慮し、老後に必要な貯蓄額を少し多めに見積もっておくとよい。国の社会保障でカバーできる金額を正確に把握しておき、足りない分をカバーするためのプランを立ててみては」と提言している。

 調査は10月7〜11日にかけて、20〜70代の男女1200人を対象にインターネットで実施した。

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