国内プロ野球、メジャーリーグを中心に取材活動を続けているスポーツライター。セ・パ各12球団の主力選手や米国で活躍するメジャーリーガーにこれまで何度も「体当たり」でコメントを引き出し、独自ネタを収集することをモットーとしている。
野球以外にもサッカーや格闘技、アマチュアスポーツを含めさまざまなジャンルのスポーツ取材歴があり、WBC(2006年第1回から2013年第3回まで全大会)やサッカーW杯(1998年・フランス、2002年・日韓共催、2006年・ドイツ)、五輪(2004年アテネ、2008年北京)など数々の国際大会の取材現場へも頻繁に足を運んでいる。
こんなスーパーな“オジサン投手”はいない。日本人メジャーリーガーの上原浩治投手のことだ。今オフにボストン・レッドソックスからFAとなり、2016年シーズンでワールドシリーズを制したシカゴ・カブスへ移籍。世界一球団と1年600万ドル(約7億円推定)の契約を結び、いわゆる「リリーバー=中継ぎ投手」として期待されている。
米スポーツ専門局『ESPN』など主要メディアの報道によると、他の複数のメジャー球団も上原にオファーをかけて中にはカブスよりも好条件を提示したところもあったという。しかし上原は熟考の末、自身初となるナショナル・リーグチームへの移籍を選んだ。
とはいえ、カブスの提示した条件も十分過ぎるぐらいに高額。2017年4月3日に42歳を迎える中継ぎ投手がこれだけの好待遇で迎えられるケースはメジャーリーグでも極めてまれだ。だが、このベテラン投手の右腕にはそれだけ投資する価値がある。
2013年シーズンから今季まで4年間在籍したレッドソックスでは同年にクローザーとしてチームをワールドシリーズ制覇に導き“胴上げ投手”になるなど目まぐるしい活躍で強烈なインパクトを残した。今季は主にセットアッパーとして50試合に登板し、2勝3敗7セーブ、防御率3.45。7月に右胸の筋肉に痛みを患って1カ月半ほど戦列を離れたが、復帰後は安定した投球でチームの地区優勝に大きく貢献した。
平均球速が140キロ台前半で中継ぎ投手としてはかなり遅いスピードの部類に入りながら、面白いように三振の山を築いていく。ほぼ同じ腕の振りから速球とスプリット系の変化球が繰り出されることで打者は球種を絞りづらく、加えて「針の穴をも通す」と称されるほど正確無比な制球力がたぐいまれなストロングポイントとして上原の投球を支えている。
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