ソフトクリームの日世が、唯一無二であるワケ水曜インタビュー劇場(冷たい公演)(1/6 ページ)

» 2017年02月08日 08時00分 公開
[土肥義則ITmedia]

 日本には和製英語がたくさんある。例えば「ワープロ」。正しい英語は「word processor」なのに、海外で現地の人に「ワープロ! ワープロ!」と訴えたことがある人もいるはず。もう1つ気になる和製英語がある。ソフトクリームだ。「えっ、ソフトクリームってそうだったの? 現地ではなんて言ってるの?」と思われたかもしれない。正しくは「soft-serve ice cream」である。

 英語圏の国では「ソフトサーブアイスクリーム」と言わなければ通じないのに、なぜ「ソフトクリーム」という言葉があるのか。そのルーツを探っていくと、ソフトクリームを日本に持ち込んだ「日世(にっせい)」(本社:大阪府)という会社にたどり着く。1951年、同社の創業者はソフトクリームの商売を始めようとしていたが、「ソフトサーブアイスクリームだとお客さんに分かりにくい。短縮してみてはどうか」と考え、ソフトクリームという言葉が生まれたのだ。

日世が提供しているソフトクリーム

 さて、この「日世」という会社。耳にしたことがないかもしれないが、実はソフトクリーム業界でシェア50%を超えているナンバーワン企業なのだ。それだけではない。世界にひとつだけの花……ではなくて、世界に“ひとつだけの会社”である。「ソフトクリームをつくっている会社なんてたくさんあるでしょ。どういう意味?」と思われたかもしれないが、ひとつだけしかない理由はそのビジネスモデルにあるのだ。

 2017年に創業70周年を迎える日世は、なぜ業界トップになったのか。また、なぜ世界でひとつだけの企業になることができたのか。ナンバーワンになれて、オンリーワンにもなれた背景になにがあったのか。同社でマーケティングを担当している茨田貢司(ばらだ・こうじ)さんにその理由を聞いた。聞き手は、ITmedia ビジネスオンラインの土肥義則。

日世の東京オフィス。このキャラクター(ニックン・セイチャン)を見たことがある人も多いのでは?
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