一方、B-R サーティワン アイスクリームは、Pepperを活用したマーケティングで手応えを得たという。同社は、昨年11月にソフトバンクが実施した、スマートフォン契約者向けキャンペーン「SUPER FRIDAY」での接客にPepperを導入。毎週金曜日にアイスクリームを無償提供するもので、当初の想定人数の約2倍という約380万人が殺到したが、同社はPepperを活用して認知度を拡大しつつ、顧客リストの作成につなげた。
同社営業担当の渡邉直樹氏は、「ただでさえSUPER FRIDAYで来店者が多いうえに、Pepperが接客しているので、『あのお店は何をやっているんだ』と、通りかかった人の注目を集めた。キャンペーンではなくPepperが目当てで来店した顧客も多かった」と反響の大きさを語る。
サーティワンでは、客がPepperのタブレットに電話番号を入力すると、SMSで送られてきたURLからメッセンジャーアプリ「LINE」の友達登録に誘導した。登録完了画面をレジで示すと、割り引きクーポンとして利用できる。専用アプリではなくLINEに誘導することでコストを抑えたという。
Pepperに顧客への説明をさせる形にしたことで「業務効率化につながった。スタッフからは『細かなキャンペーンの説明が省けるため、誘導が楽になった』との声が届いている」という。さらに、「顧客からも『スタッフに電話番号を伝えてクーポンをもらうのは抵抗があるが、Pepperは気兼ねなく利用できる』との意見があった。Pepperは顧客リストの充実にも一役買っている」という。
好評を踏まえ、SUPER FRIDAY終了後も、クリスマスセール時などの繁忙期にPepperを活用。計33日間にわたって店頭に配置し、1670件の顧客リストを取得した。また、先日からリストを活用したキャンペーンを開始したところ、開始後1週間で全体の約2%となる34人の顧客が再来店したという。
Pepperは売り上げにも好影響をもたらしている。Pepperを設置した期間の売り上げは、前年の同時期よりも6%増えていた。そのうち、Pepperが提供したクーポンでの売上額は、前年からの増加分に等しい6.6%を占めた。
渡邉氏は「Pepperの活用がマーケティングに与える影響は大きい。Pepperはまさしく、人間以上の実力を発揮するパートナーといえる」と期待を語った。
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