1967年東京都生まれ。信州大学経済学部卒。1989年アスキー入社、パソコン雑誌・ゲーム雑誌の広告営業を担当。1996年にフリーライターとなる。PCゲーム、PCのカタログ、フリーソフトウェア、鉄道趣味、ファストフード分野で活動中。信州大学大学院工学系研究科博士前期課程修了。著書として『知れば知るほど面白い鉄道雑学157』『A列車で行こう9 公式ガイドブック』、『ぼくは乗り鉄、おでかけ日和。 日本全国列車旅、達人のとっておき33選』など。公式サイト「OFFICE THREE TREES」ブログ:「すぎやまの日々」「汽車旅のしおり」、Twitterアカウント:@Skywave_JP。
日米首脳会談の前日、トランプ大統領が米航空大手の経営トップとの会合で「日本や中国には高速鉄道網がある。米国にはない」と発言した。日本の新聞は「日本の高速鉄道をトランプが高評価」という調子で報じた。
この発言を受けたかどうかは分からないけれど、日米首脳会談で安倍総理は、新幹線やリニアモーターカーを挙げ、特にリニアでは「ワシントンDCからトランプタワーのあるニューヨークまで1時間」と強調。「日本の高速鉄道技術で米国に貢献したい」と語った。これも日本では「米国の高速鉄道を日本の技術で」と報じられた。
日本人は海外から鉄道やクルマを褒められると大喜びする。しかし、これで「全米高速鉄道網が日本の技術で」と思ったら、ぬか喜びになるかもしれない。
トランプ大統領が高速鉄道に言及した場は「米航空大手の経営トップ」との会合だ。しかも「ある人に聞いたんだけど、日本と中国に高速鉄道があるらしいね」という伝聞形だった。日本の報道機関はトランプ大統領が「米国の鉄道は時代遅れだ」と発言したと報じたけれど、米ブルームバーグによると「空港も鉄道も時代遅れ、道路もよくない」と交通網全体のインフラを問題とした発言だったらしい。
会合の相手が米航空大手という状況から察するに「航空業界がちゃんとやらないなら、鉄道や道路の整備に予算を使っちゃうぞとハッパをかけた」と考えたほうが良さそうだ。
そして、トランプ発言の「高速鉄道」にしても、新幹線やリニアではないかもしれない。
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