「ホワイトカラーのタスクの3割は『メール作業』と『会議』。しかし、定例会議では多くのユーザーが内職に時間を費やすなど、ムダな時間の使い方をしている現状もある」――。
そう語るのは、日本マイクロソフトのOfficeマーケティング本部、輪島文シニアプロダクトマネジャーだ。同社が提供する「Office 365」のツール「MyAnalytics」による分析で明らかになったという。
近年、テレワークや残業時間削減などの「働き方改革」に積極的に取り組む企業が増えてきた。一方で、「仕事の絶対量を減らさなければ逆にサービス残業を誘発してしまう」という懸念の声もある。求められているのは「働き方の質」を高めることだ。
同社が2015年12月から提供する「MyAnalytics」では、AI(人工知能)が会議やメール(Outlook)の時間の使い方を分析することで“ムダな作業(タスク)”を見える化し、効率的な働き方をレコメンドしてくれるという。
例えば、会議中にユーザーがどのくらい内職(メールの作成・送信)をしているのかを会議ごとに分析。内職時間が長い会議については、その会議にユーザーが出席する必要性について見直しを求め、「議事録の共有で済ませましょう」といった改善案を示してくれる。
メールのやりとりについては、メールの作成時間や送信メールの開封率、返信までの時間、ユーザーごとの送受信数などを分析。「読まれていないムダなメールの作成に時間を費やしていないか」「対面で話した方が効率的なやりとりができるユーザー」などが分かるようになるという。
輪島文シニアプロダクトマネジャーは「データで証明することで、出席する必要のない会議や非効率なメール作業について見直すきっかけになる。今まで自分が気付かなかったムダをなくすことで、よりクリエイティブな活動に時間を割くことができる」と話す。MyAnalyticsユーザーは、メールと会議に費やす時間を平均で週当たり2時間削減できているという。
今後は、作業時間(時間の使い方)の可視化をチーム単位でできるようにするほか(今春を予定)、営業支援システムや人事管理システムなど、社外のシステムとも連携できるようにアップデートしていくとしている(今夏を予定)。
日本マイクロソフトの岡部一志コーポレートコミュニケーション本部長は「多くの企業が残業時間削減など働き方改革に取り組むようになってきた。しかし、サービス残業や持ち帰り残業があっては意味がない。大事なことはムダな作業時間を減らして仕事の質を高めることだ」と話している。
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