ボルボ・カー・ジャパンは2月22日、旗艦モデルの高級セダン「S90」、ステーションワゴン「V90」、クロスオーバー「V90 Cross Country」の3車種を発売した。道路逸脱事故や大型動物との衝突による被害を軽減する安全技術を世界で初めて採用した。北欧の上質なライフスタイルを提案する。
最上級モデルの「90」シリーズは、電動化や自動運転などを見据えて開発した新世代プラットフォームを採用している。日本ではスポーツタイプ多目的車(SUV)「XC90」を2016年1月に発売。それに続く新型3車種の発売によって、日本でもシリーズラインアップがそろった。
世界初となる2つの安全技術を導入した。1つは、道路逸脱事故の回避を支援する「ランオフロード・ミティゲ―ション」。車線を逸脱しそうな場合にシステムが作動し、ステアリングを自動操作する。この操作だけで逸脱を回避しきれない場合はブレーキも作動する。
この技術を含む運転支援機能「パイロット・アシスト」をシリーズの全モデルに標準装備。レベル2の自動運転システムとなる。新型車に搭載されるシステムは、従来のシステムから進化させ、前方を走る車がない場合でも車線維持走行ができるようにした。また、作動可能な速度領域の上限を時速140キロまで広げた。
もう1つの世界初の技術は「大型動物検知機能」。大型動物との衝突事故は、本国のスウェーデンで重傷事故の原因となっている。その被害を軽減するために開発した。時速4キロ以上で走っている時、前方に大型動物を検知した場合にアラームなどで警告。ドライバーが警告に反応しない場合にはブレーキが作動し、衝突時に時速約15キロ減速する。夜間に前方をヘッドライトで照らしている場合でも作動する。
都内で開催した発表会で、ボルボ・カー・ジャパンの木村隆之社長は「北海道では、エゾシカによる事故が年間2000件発生している」と指摘。北海道のエゾシカに対してシステムが確実に作動するかはまだ確認できていないため、ボルボ・カー・ジャパン独自でエゾシカの剥製を作ってシステムを検証。自動ブレーキや警告音が作動することを確認したという。木村社長は「北海道の方にも安心して乗ってもらえる」と話した。
日本販売の中心モデルと位置付けるのは、ワゴンのV90。価格は664万円(税込)から。9月ごろにはプラグインハイブリッドモデルも投入する。
セダンのS90は500台の限定販売で、価格は644万円(同)から。クロスオーバーのV90 Cross Countryは694万円(同)からとなっている。
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