スペインで、柴崎岳に何があったのか赤坂8丁目発 スポーツ246(1/4 ページ)

» 2017年02月24日 07時50分 公開
[臼北信行ITmedia]

臼北信行(うすきた・のぶゆき)氏のプロフィール:

 国内プロ野球、メジャーリーグを中心に取材活動を続けているスポーツライター。セ・パ各12球団の主力選手や米国で活躍するメジャーリーガーにこれまで何度も「体当たり」でコメントを引き出し、独自ネタを収集することをモットーとしている。

 野球以外にもサッカーや格闘技、アマチュアスポーツを含めさまざまなジャンルのスポーツ取材歴があり、WBC(2006年第1回から2013年第3回まで全大会)やサッカーW杯(1998年・フランス、2002年・日韓共催、2006年・ドイツ)、五輪(2004年アテネ、2008年北京)など数々の国際大会の取材現場へも頻繁に足を運んでいる。


 ようやく再スタートを切れそうだ。鹿島アントラーズからスペインのリーガ・エスパニョーラ2部のCDテネリフェ(以下、テネリフェ)に移籍したMFの柴崎岳が23日、同クラブの練習場に姿を見せ、室内のジムで個別トレーニングを再開。その模様を複数のスペインメディアが報じた。近日中に全体練習にも復帰できる見通しだ。

 柴崎は移籍直後から嘔吐するなど原因不明の症状に悩まされ、今月7日にチームを離脱。当初は感染性ウィルスなどによる胃腸の状態が原因と見られていたが、クラブ側の医療チームから「不安障害」に罹患した可能性を指摘されたことで適切な診療とリハビリ、そして周囲の懸命なサポートによって症状は大きく快方へと向かった。

 柴崎は鹿島の一員として昨年末に行われたクラブワールドカップ決勝のレアル・マドリード戦で2ゴールを挙げ、その名を轟(とどろ)かせた。もともと海外移籍志向が強く、スペインリーグにも興味をもっていたと言われている。そういう背景があってせっかく念願叶ったにもかかわらず、なぜ不安障害になったのかと疑問を抱く人は多いかもしれない。

 しかし、現状で柴崎が置かれている立場は決して楽観視できるようなポジションではない。その周囲を取り巻く状況を冷静に分析すると、不安障害に突如陥ってしまったことも致し方ないように思えてくる。

 ちなみにスペインリーグはドイツのブンデスリーガなどとは異なり、EU(欧州連合)以外の国籍の選手についてはベンチ入り、出場ともに3人までという制限が設けられている。だからスペインのクラブは当然、EU以外の国籍選手の獲得には確実に大きな戦力となる能力の高いプレーヤーを求める傾向が強い。

柴崎はなぜ不安障害になったのか(出典:テネリフェのFacebookページ)
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