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» 2017年05月26日 07時40分 公開

ボクシングの村田諒太は、WBAのワナにはめられたのか赤坂8丁目発 スポーツ246(4/4 ページ)

[臼北信行,ITmedia]
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WBAはやはり「怪しい」

 「メンドサ会長は怪しくないでしょ。再戦指令も出したことだし」と思われた人もいるだろうが、やはり「怪しい」と言わざるを得ない。なぜなら、仮にエンダムと村田の再戦が実現したとしても因縁のリマッチとして大いに盛り上がることで2人のファイトマネーは前回よりも上がり、そこから得る承認料も当然跳ね上がるわけだからWBAも潤う。

 そういうシナリオを描いた上でメンドサ会長は疑惑の判定が今回の世界戦で下された後、自らがジャッジしたポイント数を明かすような前代未聞の行動を起こしたのではないだろうか。「自分は何も悪くない」という姿勢を世にアピールしたかったのかもしれない。帝拳ジムの本田会長がWBAに不信感を抱いていたのも、大いにうなずける。

 村田は日本ボクシング界でビッグマネーが動く、数少ないドル箱選手の1人。そういう意味でも商業主義に走って嫌なウワサが絶えなかったWBAと交わることで、とんでもない結末になってしまう流れを危惧する人物は戦前から複数いた。しかし圧倒的に攻めながらも残念ながら村田がエンダムをKOできなかったことで、WBAという団体のいい加減な運営スタイルがあらわになってしまったのは間違いない。

 JBCは、今回の「疑惑の判定」についてメンドサ会長に書面を送り、採点結果を再検証して2週間以内に回答するように強く要請した。これでWBA側から納得のいくような回答が得られない限り、村田陣営は再戦に応じる必要はないと思う。

 そうした中、WBAは公式Twitterで25日、メンドサ会長がパナマで会見を開き、あらためてエンダムと村田の再戦を指示したことを伝えた。また、疑惑の判定を下した2人のジャッジについても6カ月の資格停止処分としたことも発表している。とはいえ、ジャッジ2人については「資格取消」でなく「短期間の資格停止」であったことから大甘処分となった感は否めない。

 ちなみに、WBC(世界ボクシング評議会)と、WBO(世界ボクシング機構)からは「公平な戦いをしてほしい」と世界戦のオファーがあったことも本田会長は明かしている。“インチキ裁定”にもめげず真摯(しんし)な態度を貫いて評価を上げた村田の未来は明るく、たとえWBAと決別しても引く手あまただ。

臼北信行(うすきた・のぶゆき)氏のプロフィール:

 国内プロ野球、メジャーリーグを中心に取材活動を続けているスポーツライター。セ・パ各12球団の主力選手や米国で活躍するメジャーリーガーにこれまで何度も「体当たり」でコメントを引き出し、独自ネタを収集することをモットーとしている。

 野球以外にもサッカーや格闘技、アマチュアスポーツを含めさまざまなジャンルのスポーツ取材歴があり、WBC(2006年第1回から2017年第4回まで全大会)やサッカーW杯(1998年フランス、2002年日韓共催、2006年ドイツ、2010年南アフリカ、2016年ブラジル)、五輪(2004年アテネ、2008年北京、2017年リオ)など数々の国際大会の取材現場へも頻繁に足を運んでいる。


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