「Googleアシスタント」日本語版は雑談もOKApple「Siri」に対抗

» 2017年05月29日 16時50分 公開
[濱口翔太郎ITmedia]

 Google日本法人は5月29日、音声認識と人工知能(AI)を組み合わせたユーザーサポート機能「Googleアシスタント」の日本語版を提供開始した。同日から数週間かけて、「Android 6.0 Marshmallow」以降の全てのAndroid端末に自動でインストールする。

 スマホのホームボタンを長押しするか、「OK、Google」と声をかけることで起動。AIの自然言語認識技術によって発話内容を理解するため、「お腹が空いた」「今日の天気は?」と話しかけると、近隣のレストランや1日の天気を回答する。

photo Googleアシスタントとの会話の様子

 写真やメールなどのアプリとも連動。「この前の北海道旅行が見たい」と言うと、適切な写真を選定して表示するといった具合だ。

 ユーザーの名前や趣味・好みを機械学習し、最適な情報を提供する機能も持つ。「私の名前は○○です」「私の好きな食べ物は○○です」などの情報を伝えると、名前を呼んだり、好きな料理を取り扱うレストランを優先的に探したりと成長する。

photo ユーザーの名前を記憶する

 ユーザーとの雑談に応じることもできる。記者発表会で実施されたデモでは、端末に「面白い話をして」と話しかけると、「喫茶店とかけて、ゴルフと解く。その心は? ティーとカップが必要でしょう」などとユーモアのある返答をする様子が披露された。

photo “面白い話”も披露してくれる

 Googleのユーザーサポートアプリには、検索用の「Googleアプリ」、生活に必要な情報を一覧で表示する「Google Now」などがある。アシスタント機能は、メッセージアプリ「Google Allo」の一部として提供していた。これらは、ユーザーからの問いかけに対して必要な情報を提示するものの、雑談などの高度な会話には対応していなかった。

 自然言語による高度な対話に対応したことにより、同社は米Appleの「Siri」、米Amazonの「Alexa」、米Microsoftの「Cortana」などの競合がひしめく音声アシスタント分野に参入した形だ。

photo 米Appleの「Siri」

 Google日本法人の徳生裕人 製品開発本部長は、他社サービスとの違いについて「検索機能との連携技術や、音声認識の精度は強みだと考えている」と話す。

photo 自社サービスの強みについて話す徳生本部長

 今後の展開については、「スマホだけでなく、さまざまなデバイスにアシスタントを搭載できるよう開発を進めたい。他社と協力し、アシスタントにお願いするだけでタクシーを呼べたり、部屋の電気をつけたりできるサービスの提供も目指していきたい」(徳生氏)という。

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