低迷「巨人」の責任は、誰にあるのか赤坂8丁目発 スポーツ246(3/4 ページ)

» 2017年06月08日 11時56分 公開
[臼北信行ITmedia]

由伸監督の任命責任

 昨オフに総額30億円超えとも言われる巨大補強を敢行し、特にFAでは福岡ソフトバンクホークスから森福允彦投手、横浜DeNAベイスターズから山口俊投手、北海道日本ハムファイターズから陽岱鋼外野手を獲得。ところが森福はリリーフ失敗を重ね、山口と陽はコンディション不良で開幕一軍に間に合わず大きく出遅れている。球団の内外から「FA補強は失敗だった」と指摘されていて、編成トップへの風当たりが猛烈に強まっているのは言うに及ばないだろう。

 問題はまだある。球団フロント幹部たち、さらに親会社幹部たちには由伸監督の任命責任も問われる。すでに周知の事実だが一昨年のシーズン終了後、原辰徳前監督の辞任を受け、まだ現役だった高橋由伸に後任として推し上げたのは、他ならぬフロント幹部たち、そして巨人の親会社である読売新聞グループ本社の経営陣たちだった。

 球団の内情を知る事情通はこう語る。

 「まだ現役続行を望んでいた由伸の“外堀”を埋めるような形でオファーを断り辛くしたフシも感じ取れたが、そういう流れの中で本人に監督就任を打診。由伸も内心で現役に未練は残しながらも受諾した。

 彼に白羽の矢が立ったのは生え抜きのスターであり、人気やインパクトの面を考えてのものだったと言えるだろう。ただ由伸を入団当時から知る古参の球団関係者たちの間からは『いきなり監督を任せるのはいかがなものか』『“プリンス”とも言われたお坊ちゃん的な性格は監督に向かない』などと指摘する声が出ていたのも事実。

 それもあって球団上層部では由伸を指揮官として現場で教育できる経験豊富な鬼軍曹をヘッドコーチに据える案も当初は浮上していたと聞く。ところが由伸本人がこれに難色を示し、原前監督とともに退団濃厚だった穏健派の村田真一コーチをヘッド格に置く形でまとまった。球団及び読売上層部も無理強いで監督になってもらった負い目があるので、由伸の意見には『NO』と言い辛いところもあったのだろう」

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