20代の平均貯金額は「184万」、45.3%が「貯金なし」 30代、40代は?マネーの達人(1/2 ページ)

» 2017年06月16日 05時30分 公開
[国府勇太マネーの達人]
マネーの達人

 2017年5月に総務省が発表した「家計調査報告」の内容が物議を醸しています。それによると、日本の皆さんの平均貯蓄高は「1820万円」だそうです。

 「まじか……」「そんなにない」「というより、周りにそんな人いない」という声が多く聞かれています。

 それもそのはず、このデータはあくまで国民全体です。実は、60歳以上の世帯が平均を大きく押し上げていたため、20代から40代にとっては「そんなにあるの?」といまいちピンとこなかったのも当然です。

 そこで実態を知るべく、よりリアルな20代から40代の貯蓄額を見てみましょう。対象は金融広報中央委員会(2016年)のデータによるものです。ちなみに、貯蓄と貯金、預金では厳密にはそれぞれ定義が異なるのですが、以下では便宜上なじみがある「貯金」を使用します。

photo 20〜40代の貯金額は……(写真と本文は関係ありません)

20代の貯金の平均は「184万円」

 データによると、20代の世帯あたりの平均は「184万円」でした。これは、全体平均「1820万円」の約10分の1です。20代で金融資産を保有している人は54.7%しかいません。残りの45.3%は「貯金などない」ということになります。

 そして、中央値はなんと0円でした! 中央値とは、それぞれの貯金額をズラリとならべて順位付けし、ちょうど真ん中の順位にいる人の貯金額をいいます。

30代の貯金の平均は「395万円」

 そして、30代の貯金の平均は「395万円」でした。中央値は167万円です。30代では167万円以上の貯金があれば30代世帯の順位は真ん中より上ということになります。

 30代でも金融資産を持っていない(貯金ゼロ)世帯が全体の約3分の1もいます。

40代の貯金の平均は「588万円」

 40代の貯金の平均は「588万円」でした。30代と比べるとぐっと上がりますね。中央値は200万円です。こちらは30代とそこまで差がありません。

 40代でも金融資産を保有していない世帯が約3分の1(35%)います。

20代〜40代の平均貯金のまとめ

 30代から40代になるときに「金融資産をたくさん持っている人」はより多くを持つようになり、そうでない人との差が開いている、ということが分かります。

 30代、40代の約3分の1はそもそも金融資産など保有しておらず、保有している資産の中央値は200万円前後ということが分かります。そして、20代に至っては約半数が金融資産を保有しておらず、中央値は0円という結果でした。

 総務省が発表した「家計調査報告」の平均1820万円という結果とはだいぶ違ったイメージを持たれることかと思います。

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