2017年5月に総務省が発表した「家計調査報告」の内容が物議を醸しています。それによると、日本の皆さんの平均貯蓄高は「1820万円」だそうです。
「まじか……」「そんなにない」「というより、周りにそんな人いない」という声が多く聞かれています。
それもそのはず、このデータはあくまで国民全体です。実は、60歳以上の世帯が平均を大きく押し上げていたため、20代から40代にとっては「そんなにあるの?」といまいちピンとこなかったのも当然です。
そこで実態を知るべく、よりリアルな20代から40代の貯蓄額を見てみましょう。対象は金融広報中央委員会(2016年)のデータによるものです。ちなみに、貯蓄と貯金、預金では厳密にはそれぞれ定義が異なるのですが、以下では便宜上なじみがある「貯金」を使用します。
20代の貯金の平均は「184万円」
データによると、20代の世帯あたりの平均は「184万円」でした。これは、全体平均「1820万円」の約10分の1です。20代で金融資産を保有している人は54.7%しかいません。残りの45.3%は「貯金などない」ということになります。
そして、中央値はなんと0円でした! 中央値とは、それぞれの貯金額をズラリとならべて順位付けし、ちょうど真ん中の順位にいる人の貯金額をいいます。
30代の貯金の平均は「395万円」
そして、30代の貯金の平均は「395万円」でした。中央値は167万円です。30代では167万円以上の貯金があれば30代世帯の順位は真ん中より上ということになります。
30代でも金融資産を持っていない(貯金ゼロ)世帯が全体の約3分の1もいます。
40代の貯金の平均は「588万円」
40代の貯金の平均は「588万円」でした。30代と比べるとぐっと上がりますね。中央値は200万円です。こちらは30代とそこまで差がありません。
40代でも金融資産を保有していない世帯が約3分の1(35%)います。
30代から40代になるときに「金融資産をたくさん持っている人」はより多くを持つようになり、そうでない人との差が開いている、ということが分かります。
30代、40代の約3分の1はそもそも金融資産など保有しておらず、保有している資産の中央値は200万円前後ということが分かります。そして、20代に至っては約半数が金融資産を保有しておらず、中央値は0円という結果でした。
総務省が発表した「家計調査報告」の平均1820万円という結果とはだいぶ違ったイメージを持たれることかと思います。
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