AI(人工知能)に自分の仕事が奪われるかもしれない――。あなたはそんな不安を感じていませんか?
20XX年、オフィスにはAIがあふれ、公園には失業者があふれる日がやってくるのか。答えは「否」である。AIをうまく活用することで、いまよりも生産性を引き上げることが可能なのだ。
「そんなことを言われても、イメージができないのでよく分からないよ」と思われたかもしれないが、心配無用である。本特集「営業部 AI課」では、最新の事例を紹介しながら、私たちのこれからの働き方も提案していく。
いまを知り、これから鍛えることで……。「AIと一緒に働くことが楽しい!」そんな日が必ずやってくる。
人工知能(AI)を活用して問い合わせ対応などを行うチャットボットサービスが増えている。ユーザーの質問に適切に答えたり、自然に会話したりするサービスなどが話題だ。いま、チャットボットサービスはどのように発展しているのか。6月に東京ビッグサイトで開催された「AI・人工知能EXPO」で探った。
サイバーエージェントのチャットボット事業会社、AIメッセンジャーは、2016年7月にチャットボットサービスの提供を開始した。AIによる自動応答だけでなく、有人対応に力を入れていることが特徴。サービス開始から1年で数十社に導入されたという。
問い合わせに対してAIで自動応対するサービスは、カスタマーサポートにかかるコスト削減に有効だ。しかし、AIメッセンジャーのサービスはそれだけではない。ユーザーの満足度向上を目指しているというが、具体的にどのようなことを行っているのか。
自動で応答できない複雑な問い合わせについては、沖縄にいるオペレーターが対応する。ユーザーからのネガティブな反応を検知すると、迅速にオペレーターに通知して有人対応に切り替える「会話破綻アラート」という機能も設けている。また、オペレーターによる複雑なやりとりをAIに学ばせることで、AIが対応できる問い合わせの幅を広げていく。複雑な質問に対応し続けることで、難しいやりとりも自動でできるようになり、ユーザーの満足度向上につながる。
チャットボットのツールを提供するというよりは、「AIを活用して、カスタマーサポート業務を代行する」(担当者)イメージだ。自動化だけが目的ではなく、サービス向上のためのツールになっている。
ビッグデータ分析などを手掛けるALBERT(アルベルト)は4月、チャットボット型接客ツール「Proactive AI」(2019年2月28日に「スグレス」に名称を変更)の提供を開始した。問い合わせに自動応答するだけでなく、ユーザーに声掛けをしたり、商品をおすすめしたりできることが強みだ。
【更新:2019年3月1日 サービスの名称変更に伴い、追記しました。】
同社の主力サービスは、インターネット通販サイトでおすすめ商品などを表示するレコメンドエンジン「Logreco(ログレコ)」。培ってきたデータ分析ノウハウをチャットボットに生かした。
“接客ツール”という名称の通り、店舗での接客のようなチャットボットだ。機能の1つ「プロアクティブサポート」は、ユーザーがWebサイトを離脱する前に、先回りして声掛けをする機能。商品詳細ページを何度も閲覧して迷っているような動きがあれば、それを察知して、「お探しの商品は見つかりませんか」などと話し掛ける。
「対話型商品検索」機能では、ユーザーと会話をしながら商品を提案する。単なるキーワード検索ではなく、目的や価格などを合わせて相談すると、条件に合う商品を判断し、ユーザーごとに適切な順番で表示する。
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