スマホで買って後払い「atone」 開発の狙いとはリアル店舗も視野に(3/3 ページ)

» 2017年08月08日 08時00分 公開
[加納由希絵ITmedia]
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実店舗の決済にも参入を目指す

photo 使った金額と限度額を一目で確認できる

 ――実店舗への導入も視野に入れています。

 社内の研究チームが、設備や決済方法など、実店舗で使いやすい方法を検討しています。店舗からは、レジの周りの混雑を解消したいという声があり、決済の流れがスムーズになる仕組みであれば導入が増えると考えています。

 ――これまでと比べて、サービスを提供できる領域を大きく広げていく計画です。どのような考え方で開発を進めているのですか。

 サービスのどの部分も、ゼロベースで考えて、最も良い形にしようとしています。NP後払いからサービスを向上させる、という考え方ではなく、後払い決済の理想を突き詰めて、それを描いたものがatoneです。

 それができるのは、組織が強いからだと考えています。意欲や能力がある人が“走りやすい”環境を整えています。セールスやマーケティング、システム開発などの仕事がありますが、配属は社員が自分で決めます。人材採用や企業風土づくりなど、会社の枠組みを決める仕事にも、希望すれば参加できます。一方で、問い合わせ対応など、アウトソースできる業務はプロに任せています。そうすることで、個人の成長が早く、実現したいことに向かって自ら取り組む組織になっています。

 ――後払い決済の市場で、どのように成長していきますか。

 NP後払いのサービスが右肩上がりに成長できたのは、競合サービスが増え、後払い決済の認知度が上がったからです。その中でNP後払いを選んでもらえたことで、シェアを拡大できました。自社で後払いサービスを提供してきた通販事業者が、NP後払いに切り替えるケースも増えています。

 安価でスムーズに、みんなが使えるインフラとして、あらゆる場面で使える決済サービスの提供を目指していきます。カードを保有しない人のニーズだけでなく、引っ越しや修理など、カードを使いづらい事業者のニーズもあります。さまざまな業種と連携して使える場所を増やし、価値を高めていきたいと考えています。

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