カンロで売れている「グミッツェル」、開発秘話を聞いてきたあの会社のこの商品(1/4 ページ)

» 2017年08月30日 08時00分 公開
[大澤裕司ITmedia]

 グミといえば、しっとりした食感が特徴。この独特の食感がたまらなく好きな人も多いだろう。

 ところがグミ大手のカンロは、外がパリッ、中がしっとりとしたグミ「グミッツェル」を開発。2012年6月に直営店「ヒトツブカンロ」がオープンしたと同時に販売を開始した。

 グミッツェルの特徴は独特の食感と、プレッツェルの形をしていること。また、グミらしいカラフルな色合いはそのままに、表面が白っぽくなっており、まるで、すりガラス越しにグミを見ているかのような印象を受ける。この独特な食感と見た目の菓子は、どのようにして生まれたのか。

全国2カ所のヒトツブカンロとネット通販でのみ販売されているグミッツェル

どこかのタイミングで商品化したかった独特の食感

 グミッツェル誕生のきっかけは、社内に立ち上げた「グミプロジェクト」にあった。プロジェクトが発足したのは10年以上も前のことで、カンロの人気グミ「ピュレグミ」に続くグミをつくる目的から発足した。

 このプロジェクトで議論を重ねる中で、新しい食感を目指すことが決まった。固いものや柔らかくトロッとしたものといった案の中に、グミッツェルで実現した独特の食感が含まれていた。

 経営企画本部ヒトツブ事業室 課長の金澤理恵さんは、「食感のコントラストが楽しめたらいいのではないか、といったことがプロジェクトで提案されました。ここから話が進み、『外がパリッ、中がしっとりしたものができたら面白い』となり、方向性が固まりました」と話す。これにより、グミッツェルの研究開発がスタートすることになった。

 しかし完成しても、スーパーやコンビニでは売れなかった。理由は、割れやすいためである。

 この問題を解決したのが、ヒトツブカンロだった。別に進んでいたヒトツブカンロのオープンに関する企画と、グミッツェルの開発が融合し、ヒトツブカンロの商品として扱うことが決定。これにより、販路に関する問題は解決した。

 「食感が面白く、モニター調査をしても評価が高かったことから、社内ではどこかのタイミングで商品化したいという思いがあった」と話す金澤さん。ヒトツブカンロでは、1個ずつトレーに入れた上に包装して販売。過剰とも思える包装は直営店だからできることで、スーパーやコンビニなどで売る場合は、ここまで手間とコストはかけられなかった。

グミッツェルを担当するカンロの金澤理恵さん
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