UFOキャッチャーが人の心を“つかみ”続けている理由水曜インタビュー劇場(改良公演)(4/6 ページ)

» 2017年09月20日 08時00分 公開
[土肥義則ITmedia]

現場の声を聞くことに

土肥: その後も、新しいUFOキャッチャーが次々に登場していますよね。

深澤: 景品の上限が引き上げられたこともあって、景品のサイズがどんどん大きくなりました。ということもあって、開放感を重視して、景品がよく見えるデザインが増えていきました。以前の設計は開発者主導で動いていたのですが、2000年前後には設置する店舗の声を重視するようになりました。

 一般的なビデオゲーム機は電源を入れるとすぐに遊ぶことができますよね。でも、UFOキャッチャーは違う。機械を納入したら、「はい、おしまい」といった世界ではなく、店舗側の「ひと手間」が欠かせないんですよ。ディスプレイのなかにどんな景品を並べるのか、どのように並べるのか、どのくらいの難易度にするのか。多くの人に遊んでもらうために、オペレーターさん(店舗スタッフ)が作業をしなければ遊べることができません。

 このころになると、店舗によって設定方法が違っていました。例えば、小さな景品をぎっしり陳列するところもあれば、大きなモノを数個並べるところもある。ある店舗で、「機械の電源を入れると、エラーが出る」といった声がありました。どういう状況なのか、現地に足を運んでみたところ、びっくりしました。その店では、景品を天井まで高く積み上げていたんですよ。UFOキャッチャーは電源を入れると、センサーがきちんと稼働するかどうかをチェックするのですが、景品を高く積み上げていたのでエラーが出ていたんですよね。

 景品を高く積み上げることは想定していなかったので、エラーが出ていた。このままではいけないということで、景品を高く積んでもエラーが出ないようにチェック方法を修正しました。

土肥: このほかにも、現場で驚かれたことはありますか?

2001年に発売された「UFO CATCHER 7」。蛍光灯が増え、明るくなった(C)SEGA

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