最新のゲームが集まる「東京ゲームショウ2017」(9月24日まで、千葉・幕張メッセ)では、VR(仮想現実)・AR(拡張現実)といった新しいゲーム体験に注目が集まっている。人気が集中している「Nintendo Switch」や「プレイステーション 4」などの据え置き機向け新作ソフトの展示も活況だった。
国内外から600超の企業・団体が出展。国内企業の出展は292社に上り、過去最多となった。
会場を歩くと、VRやARによるプロモーションが一般的になっていることが感じられる。スマートフォンなどを利用した手軽なVRコンテンツも数多く見られたが、力の入った展示は会場内でも目立った。
9月22日のビジネスデーに長蛇の列をできていたのがコナミの「ラブプラスEVERY」ブースだ。魅力的な“カノジョ”と過ごす高校生活を描いた人気シリーズが、初めてスマートフォン向けに登場する――そのアピールのために、コナミは放課後の教室で“カノジョ”に語り掛けられるVR体験ブースを用意した。VRコンテンツは、東京ゲームショウ用に特別に開発したという。
恋愛ゲームなど、キャラクターの魅力を打ち出したい作品のアピールには、VRの没入感がマッチする。例年その没入感を利用して話題になるのが、女性向け恋愛アプリを数多くリリースしているボルテージだ。
昨年は椅子に座っているとイケメンが迫ってくる「椅子ドンVR」を出展した同社は、今回はイケメンと結婚式を挙げられる「VR挙式」を公開。多くの女性が“花嫁”となりトキメキを感じていたようだ。同じく女性向けゲーム「囚われのパルマ」(カプコン)も、「VR面会」で女性ユーザーを引きつけた。
VRが一般的になった一方で、ARをうまく使っていたのがDMM GAMESだ。女性に人気の高い「刀剣乱舞」の展示では、ゲームショウ用に開発したスマートフォン向けARカメラアプリ「ARAPPLI(アラプリ)」を披露。カメラ画面上にゲームキャラクター(刀剣男士)が登場し、写真を撮ることができる。時間帯によって登場するキャラクターが変わるため、来場者は何度もDMM GAMESのブースに訪れる仕掛けだ。写真がSNSに投稿されれば、来場者以外にもプロモーションを広げられる。
さまざまなシーンでVR・ARが活用される一方で、「VR・ARコーナー」の出展からは、技術の進化と可能性が感じられた。“匂い”に着目したもの、“触感”に注力したもの、多人数が参加できるもの……など、さまざまなゲームが生まれている。
中でもひときわ歓声を浴びていたのが韓国発の「GYRO VR」(SANGWHA/スホ)だ。日本初公開となる360度回転するVRアトラクションで、ジェットコースターのような体験ができる。
その隣のブースには、日本発のVRアトラクション「PhotonBike」(JPPVR)。バイク型のVRアトラクションで、SF的な世界観のレーシングゲームを楽しめる。プレイを見学していると、「次世代のゲームセンターはこんな感じになっているのだろうな」とワクワクした。
現時点でもVRを体験できる商業施設として、「VR ZONE SHINJUKU」(東京)やハウステンボスの「VRの館」「VRアトラクション」(長崎)などがオープンしている。東京ゲームショウでお披露目されたゲームが手軽に遊べるようになる日も近いかもしれない。
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