体臭ビジネスが盛り上がると日本人がおかしくなるのは本当かスピン経済の歩き方(3/5 ページ)

» 2017年09月26日 08時00分 公開
[窪田順生ITmedia]

嗅覚の異常で欠落するもの

 2015年の国勢調査の結果、日本の未婚率は男性23.37%、女性14.06%と過去最高となっている。一般社団法人日本家族計画協会の16年調査でも、過去1カ月間にセックスをしていない既婚者、いわゆる「セックスレス夫婦」の割合は過去最高の47.2%となっている。

 なぜ日本人が「結婚」や「セックス」と縁遠くなったかと聞かれると、ほとんどの人が、「結婚したくても先立つものがない」「仕事に追い立てられて日本人全体が疲弊している」という経済的な理由や、「世の中に結婚やセックスよりも楽しいことが増えた」「女性の社会進出が進んだから」という社会の変化を挙げる人が圧倒的だ。

 筆者もそう思うが、その半面でこれは本当に「環境」の問題だけなのかいう疑問もある。もしかしたら、なにかしらの理由で人間が生き物として異常をきたしていることだってあるのではないか――。

 そんなの『月刊ムー』とかじゃあるまいし、と思うかもしれない。確かに、いまの科学では、「信じるも信じないもあなた次第」というレベルのトンデモ話だ。ただ、妙に納得できる部分があるというのも事実なのだ。例えば、先ほどの『メディア・セックス』には以下のような実験結果も紹介されている。

 「研究対象となった一八匹のハツカネズミの母親たちは、手術後、自分の子どもたちを食べた。雄のハツカネズミとゴールデン・ハムスターは、ともにその手術の後では、まったく性行為をしなくなったのである」(同)

 わが子に対して本来もっているであろう愛情までが「嗅覚」の異常で欠落してしまうというのは、恐ろしいかぎりだが、日本人にもこれと近いことは起きている。「児童虐待」だ。

photo 体臭を排除しすぎると嗅覚に異常が……?

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