両施設は20代以上のカップル客が多い一方、一般的なゲームセンターに多いはずの10代のユーザーが極端に少ないという課題がある。その理由は、VR業界全体の課題とされている「13歳問題」だ。
13歳問題とは、「13歳未満の子供は3D映像の視聴によって立体視の力が弱まり、斜視になるリスクがある」とする医学的な説があるため、業界内で13歳未満の客へのVR機器利用を自主規制する流れがあることを指す。
両施設でも年齢制限を設け、13歳未満の入場を禁じているが、その影響で子供やファミリー層の獲得は苦戦している。バンダイナムコエンターテインメントの小山氏も「家族に人気の『マリオカート』などを子連れ客に提供できない点は痛い」と話す。
こうした課題に対し、講演のモデレーターを務めたロケーションベースVR協会の安藤晃弘 代表理事は「13歳問題が日本のVRの発展を阻害している点は否めない。海外のVR施設では子供のプレイが認められるケースもあるため、日本でも時間制限を設けた上での利用を認めるよう業界に働きかけていきたい」と話す。
こうした課題はあるものの、両施設は今後、発展に向けた新施策を展開していく予定だ。
VR PARK TOKYOはさらなるカップル客獲得に向け、10月16日からグリーと共同開発した新アトラクション「ようこそパニックマンションへ VR」の提供をスタートする。カメラで撮影したユーザーの顔写真をゲームキャラのアバターに再現できる機能や、“ユーザーどうしが近づくと銃の威力が上がる”機能を搭載したカップルならではのコンテンツで、1カ月当たり2500人の利用を見込んでいる。
2店舗目のVR施設の出店も計画中。利益効率性の向上に向け、安価なコストで制作できるコンテンツの大量導入も検討しているという。
VR ZONE SHINJUKUでは、人気アーケードゲーム「機動戦士ガンダム 戦場の絆」のVRバージョン「機動戦士ガンダム 戦場の絆 PROTOTYPE Ver.」を11月10日から期間限定での試験運用を始める。根強いファンを持つ同タイトルの投入によって、さらなるリピート客の獲得を図っていく。
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