にもかかわらず、なぜマスコミ各社は示し合わせたように同じ「躍進」という表現を見出しに採用するのか。実際にはそれほど「躍進」していないのに、情報番組『王様のブランチ』で「OLが殺到する大人気スイーツ店」みたいにあおってレポートするのと同じノリで、盛り盛りの政治報道をしてしまうのか。
いろいろなご意見があるだろうが、個人的には、こういう「偏向」があらわれてしまうのは、「立憲民主を軸にして強い野党をつくるべき」というマスコミ側の「べき論」というか、思想のクセが強すぎるから、だとみている。
「立憲民主、躍進」をテレビ、新聞、ネットで大量リピートすれば、素直な日本人は「そうか、立憲民主、キテるんだ」となる。こういう世論に人一倍敏感なのが政治家である。
政治信条が相容れないのに、小池人気にすがろうとした旧民進の候補者の支離滅裂な主張をご覧になっても分かるように、政治家というのは当選を果たすためならば、恥も外聞も、そして信念も捨てて「勢いのある政党」にすがるものなのだ。
つまり、「立憲民主、躍進」というニュースが溢れかえると、現職、落選中の候補者、党員、支持団体などがわっと立憲民主のもとに集結するのだ。事実、以下のような報道も出ている。
そのなかには、もちろん希望の党で当選を果たした旧民進組も含まれる。橋下徹氏は「政党を行ったり来たりするチョロネズミ」と表現していて、政治家のなかには人気の党、人気の党首に選挙のときだけ寄生して、当選した途端、さらなる甘い水を求めて、人気のある党へ転身をはかる議員も珍しくない。
マスコミがスクラムを組んで「立憲民主、キテます」の世論をつくれば、希望の党から、「人気政党の一員」という餌につられた「チョロネズミ」たちが逃げ出してくる。100議席程度の「野党第1党」の一丁上がりというわけだ。
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