想像してほしい。いきなり電話がかかってきて、こんな大味な質問を投げかけられたら。よほどの自民党信者じゃない限り、一般人の感覚としては「そりゃあんまり強すぎるのは、どっちかといえばよくないんじゃない?」と思う。つまり、この「73%」というのは、別に「おごり」や「緩み」が見えているから、安倍自民党がけしからんなどという声ではないのだ。
このようなマスコミの「偏向報道」を、自民党支持者は自分たちの求心力として利用している。トランプ大統領が、自身に批判的なメディアをフェイクニュースとして叩くことで、自身のブランディングに活用しているのとまったく同じ構図だ。「偏向報道」というのは結果として、トランプのようにマスコミのバッシングが効かない「モンスター」の栄養にされてしまうのだ。
政権批判ありき、強い野党をつくるためにバックアップ、という露骨な偏向は一部のイデオロギーをお持ちの方たちには支援されるが、情報が溢れる今の世の中では、社会のマスコミ不信を助長していくだけだ。
憎き安倍首相をトランプ大統領のような「モンスター」にしないためにも、「立憲民主、躍進」なんて話を盛るのはもうやめたほうがいい。
テレビ情報番組制作、週刊誌記者、新聞記者、月刊誌編集者を経て現在はノンフィクションライターとして週刊誌や月刊誌へ寄稿する傍ら、報道対策アドバイザーとしても活動。これまで200件以上の広報コンサルティングやメディアトレーニング(取材対応トレーニング)を行う。
著書は日本の政治や企業の広報戦略をテーマにした『スピンドクター "モミ消しのプロ"が駆使する「情報操作」の技術』(講談社α文庫)など。『14階段――検証 新潟少女9年2カ月監禁事件』(小学館)で第12回小学館ノンフィクション大賞優秀賞を受賞。
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