NECは10月24日、名作文学の読後感をAI(人工知能)で分析し、コーヒーの味わいとして再現する「飲める文庫」を開発したと発表した。NECのAI技術と、コーヒー豆専門店「やなか珈琲店」の開発技術を生かした取り組み。人とAIとの協調を身近に感じてもらうことが目的という。
ラインアップは島崎藤村「若菜集」、太宰治「人間失格」、夏目漱石「吾輩は猫である」「こころ」「三四郎」、森鴎外「舞姫」──の6種類。「こころ」は、濃厚なインドネシア産マンデリンにブラジルのキレのある苦味を加え、「誰のこころにも潜み、 いざというときに現れる苦々しい人間のエゴが垣間見える」味だという。
NECのデータサイエンティストが、文学作品のレビュー文1万件以上を、コーヒーの味覚指標(苦味、甘味、余韻、飲みごたえなど)に変換した学習データを作成。「悲しい結末だった」は苦味、「青春時代の懐かしさを感じた」は甘味に変換するといった具合だ。
学習データは、ディープラーニング技術を搭載するNECのソフトウェア「NEC Advanced Analytics - RAPID機械学習」に投入。6点の文学作品のレビュー文からその味覚指標のレーダーチャートを作り上げ、やなか珈琲店がレーダーチャートを踏まえてレシピを作り、6種のブレンドコーヒーを開発した。
ブレンド豆のパッケージは10月27日から、ドリップバックのパッケージは11月8日から、やなか珈琲店の都内9店舗とWebサイトで期間限定販売する。
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