KDDIが11月1日発表した2017年4〜9月期の連結決算は、売上高が前年同期比5.0%増の2兆4161億円、営業利益が1.9%増の5425億円、純利益は1.0%増の3294億円と増収増益だった。スマートフォン向けの新料金プランの好調でモバイル通信料収入が増加したほか、決済・コマース事業も堅調に推移した。
上半期に展開した主な料金プランは、データ使用量に応じて月額料金を割り引く「auピタットプラン」、大容量ユーザー向けの定額サービス「auフラットプラン」――など。両プランは多くのユーザーから支持され、10月30日に計250万契約を突破した。
両プランの契約者を対象とした機種代金の割引サービス「アップグレードプログラムEX」も人気を獲得。従来はAndroid端末限定だったが、9月22日の「iPhone 8」発売に合わせてiPhoneにも対応した結果、「iPhone商戦を他社より優位に展開できている」(田中孝司社長)という。
セグメント別では、主力の通信事業を含む「パーソナルセグメント」の売上高は5.3%増の1兆8632億円、営業利益は0.3%減の4221億円。通信料収入は1.0%増の9048億円に拡大したが、前述の安価な新プランを積極展開した影響で支出が増えたため、セグメント単体では減益となった。
auの契約者数は前年同期からやや減少したものの、「UQ mobile」や「BIGLOBEモバイル」など傘下のMVNO(仮想移動体事業者)の契約者が伸びたことにより、グループ全体の契約者数は1.5%増の2608万件に拡大した。
田中社長は「auから傘下のMVNOに切り替える顧客は一定数存在する。他のMVNOへの流出を防げる点は強みだが、ARPU(1契約当たりの売り上げ)が減少する点が課題。今後は改善策を検討したい」と説明する。
決済・コマース事業など「バリューセグメント」の売上高は18.0%増の2468億円、営業利益は横ばいの510億円。提携する飲食店の割引クーポンなどを付与する会員制サービス「auスマートパス」の会員数や、決済サービス「au WALLET」のクレジットカード・プリペイドカードの発行枚数が拡大したため手数料収入などが増加した。
法人向けの「ビジネスセグメント」は、売上高が4.3%増の3590億円、営業利益が17.0%増の484億円。企業へのスマホ・タブレットの販売やソリューション提供が好調だった。同セグメントの増益が、主力セグメントの減益をカバーした形だ。
田中社長は「来季以降はIoT(モノのインターネット)の分野にも注力したい。8月にIoT通信プラットフォームを手掛けるベンチャー企業のソラコムを買収し、顧客にスピーディーにサービスを提供できる環境が整った。当社もスピード感を持ってIoTビジネスの創出・展開に取り組んでいきたい」と話している。
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