“鳥居酒屋”で業績回復! ワタミは生まれ変われるのか長浜淳之介のトレンドアンテナ(2/4 ページ)

» 2017年11月21日 06時00分 公開
[長浜淳之介ITmedia]

なぜ「ミライザカ」?

 ミライザカと鳥メロは、首都圏では鳥貴族と同じように駅前ビルで展開している。ミライザカはハイボール199円、鳥メロは生ビール199円を売りにしており、鳥貴族の298円均一に対しても、アルコール価格で負けない安さで集客している。

 この価格なら、鳥貴族の近くに看板が出ていたら、ついつい店に吸い込まれてしまう人も後を絶たない。ただし、ミライザカと鳥メロはお通し代で300円を取るので、お通し代を取らない鳥貴族より顧客が安いと感じるかどうかは微妙なところ。

 和民、坐・和民をミライザカに転換させており、コストを掛けず、ほぼ従来のままで、看板と料理をがらりと変えた居抜きで出店している。ちなみにこういった手法はよくモンテローザが使っており、「笑笑」などを「豊後高田どり酒場」などに変えている。

 店名については、同店の公式Webサイトによれば「これからの総合居酒屋のミライを見据えた戦略、未来へのサカを上っていくイメージ、未来のイザカヤはこうあるべき―というメッセージが込められたネーミング」だという。カタカナ表記しているが、“未来坂”とも読める。

 人気のアイドルグループ「乃木坂46」と「欅坂46」は、夢に向かい坂を駆け上がるイメージ戦略で成功している。ワタミとしてはミライザカが居酒屋の坂組だと言いたいのだろう。鶏料理をメインとした総合居酒屋の進化形と位置付けている。

 乃木坂と欅坂の坂道グループは、これまでアイドルが嫌いだった人を多くファンに取り込んでいるとされる。これまでワタミを敬遠していた人にも来てもらいたいと、坂道グループにあやかった店名をつけて、モデルチェンジをはかったのかもしれない。

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