大澤裕司(おおさわ・ゆうじ)
フリーランスライター。1969年生まれ。月刊誌の編集などを経て、2005年に独立してフリーに。工場にまつわること全般、商品開発、技術開発、IT(主に基幹系システム、製造業向けITツール)、中小企業、などをテーマに、雑誌やWebサイトなどで執筆活動を行なっている。著書に『これがドクソー企業だ』(発明推進協会)のほか、ITmedia ビジネスオンラインの人気連載をまとめた『バカ売れ法則大全』(行列研究所/SBクリエイティブ)がある。
これまでのホットプレートは機能・デザインともに、どれもあまり差がなかったような印象がある。しかしこの数年、デザイン性に富んだものが多く見られるようになった。そのきっかけをつくったといってもいいのが、イデアインターナショナルが展開するライフスタイルブランド「BRUNO」 の「コンパクトホットプレート」である。
コンパクトホットプレートは、インテリア雑貨などの企画・開発・販売を行う同社が2014年3月に発売したもの。鋳物ホーロー鍋をイメージしたデザインと、2〜3人分のコンパクトサイズなのが特徴だ。赤と白の定番色に加え限定色も随時展開。女性の認知と支持が高く、17年11月20日時点で累計80万台売れている。
BRUNOは、今年で誕生5周年。インテリア雑貨やキッチン用品などをリリースしている。
コンパクトホットプレートは、テーブル上で使え、皆で調理過程が楽しめるキッチン用品をつくるという目的から開発された。
ホーロー鍋のような印象的なデザインにした理由を、「家電ではなく食器の一部としてテーブルに置きたかったから」と話すのは、商品開発部 部長の宮崎直理氏。BRUNOブランドの家電ユーザーは女性中心なこともあり、外観、仕上げともに、家電らしくなくインテリアになじむモノを検討した。
ホーロー鍋のイメージは、最初からあったという。昔からあるやさしいイメージがするモノとして、ホーローとセラミックが候補に挙がったが、ホーロー鍋のイメージにしたのは、金属を使って似せた仕上げにすることが可能だったからであった。
デザインが決まったら、次は工場探しに移った。同社はファブレスで、新製品をつくるたびに、実績のある工場を中国で探して生産を委託している。工場は早い時だと、1週間以内で見つかるが、コンパクトホットプレートの場合は3カ月近くかかった。
時間がかかったのは、コスト、生産ロット、品質でなかなか折り合いがつかなかったため。また、普段生産を委託している工場があるエリアで見つからず他のエリアで探さないといけなかったことも、決定までに時間を要する理由になった。
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