人気の「コンパクトホットプレート」、開発の舞台裏に迫るあの会社のこの商品(3/4 ページ)

» 2017年11月23日 08時34分 公開
[大澤裕司ITmedia]

「ホットプレート グランデサイズ」の投入と開発上の問題

 商品が売れてくると、ユーザーからさまざまな要望が寄せられる。コンパクトホットプレートはユーザーからの声を取り入れて、仕様変更と「ホットプレート グランデサイズ」(以下、グランデサイズ)の開発・発売を行った。

 仕様変更は15年2月に実施。プレートの温度を直接測るようにした。「お客さまから『なかなか温度が上がらない』といった声をいただいたことから、中の温度を感知する方式から変更しました」と宮崎氏。これにより、サーモスタットのレスポンスを改善し、問題を解決した。

中心の突起物が、プレートの温度を測るセンサー。センサーを取り囲むようにヒーターが配置されている

 一方、グランデサイズは4〜5人で楽しめるモノで、16年4月に発売された。開発のきっかけは、「もっと大きいサイズが欲しい」という声が増えてきたことだった。

2016年4月に発売された「ホットプレート グランデサイズ」

 コンパクトホットプレートの開発経験があるので、グランデサイズの開発は一見すると何事もなく進んだように見えるが、実は新たな問題に直面した。それは、大きくなったことによりプレートの端にまで熱がうまく回らないことである。

 特に、中心と端の温度差が顕著に現れたのが、付属のたこ焼きプレート。コンパクトプレートのそれと異なり、対策が不可欠になった。

 「大きくなると中心と外で温度差が生じるので、温度差が出ない工夫をしなければなりませんでした」と宮崎氏。ヒーターの出力はコンパクトホットプレートと同じ1200ワット。これ以上上げると、他の家電を一緒に使ったときにブレーカーが落ちやすくなることから、別の方法を検討することにした。

 ヒーターの出力を上げる代わりに採用されたのが、裏面をつなぐこと。これにより、ヒーターから離れた玉にも熱が伝わるようにした。

 ただ、どのように裏面をつなげばいいのかは、現物をつくって検証しないと分からない。量産に移る前は、アルミを削り出してたこ焼きプレートをつくり検証。試作したたこ焼きプレートで実際にたこ焼きをつくり、熱の入り具合を確かめた。

たこ焼きプレートを裏側から見たところ。分かりにくいかもしれないが、下の「コンパクトホットプレート」用は1つ1つの玉が独立しているのに対し、上の「ホットプレート グランデサイズ」用は、端の玉とヒーターが触れる部分など、所々で玉がつながっており、熱を全体かつ均一に行き渡らせるようになっている

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