11月15日の読売新聞記事「阪急・神戸市営地下鉄の乗り入れ協議へ」によると、阪急阪神ホールディングスの社長が14日に記者会見した中で、阪急神戸本線と神戸市営地下鉄西神・山手線の相互直通運転について「スピード感を持って協議する」と答えた。
実現すれば、神戸市営地下鉄から大阪・梅田方面に乗り換えなしで行ける。地下鉄と地下鉄沿線にとっては価値向上につながる。阪急電鉄にとっては、三宮で地下鉄からJR神戸本線(東海道本線)に乗り換えていた乗客をごっそりいただける。双方にとって良い話だ。
阪急神戸本線と神戸市営地下鉄の直通計画が実現する可能性が高まった
この構想については1カ月前に大きく報道された。神戸市では10月22日の市長選で久元喜造市長が再選を果たした。その公約の1つが相互乗り入れの実現だったからだ。地下鉄沿線の市民からも大きな期待が寄せられたに違いない。市長は当選翌日、23日の記者会見で「検討を加速する」と語り、神戸市としても24日に本格的な検討を始めると明言した。
神戸市営地下鉄、阪急神戸本線とその周辺の鉄道路線(国土地理院地図を加工)
神戸市営地下鉄と阪急電鉄の相互直通運転は、国土交通省近畿運輸局の「近畿地方交通審議会答申第8号」に採択されている。この答申に挙げられた路線の整備目標年度は2015年だった(出典:国土交通省近畿運輸局)
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