TNGAの推進に続いて、トヨタは巨大アライアンス戦略に乗り出した。従来から子会社であったダイハツを100%子会社化し、スバルとのジョイントにOEMを持ち込み、マツダとはクルマづくりのレベルで協業を図るため、トヨタ史上で初めてトヨタ株を持たせた相互株式保有の提携を決めた。トヨタ自身の議決権をわずかなりとも渡したことの意味は重い。スズキとの枠組みの詳細はまだ不明ながら、インド向けEVについてはトヨタアライアンスの一員となる発表がすでにされている。
すべてのシステムを手掛けるトヨタは、どれか1つですべてをカバーする必要がない。そのため用途によって相性の良いシステムを使い分ける考え方だ
これらの提携の流れを振り返って見ると、常に盛り込まれているのが「電動化」「自動化」「コネクティッド」の3つである。需要と関係なく法律の義務付けによって生産せざるを得ないEVに関しては、近い将来に値引き合戦に発展する可能性が高い。そこを複数社のアライアンスでリスク分担をしながら、開発そのものもマツダの「一括企画」「コモンアーキテクチャ」「モデルベース開発」で多品種低コスト開発を狙う。
そう考えると、今回トヨタが発表した人事リリースの中でも特に重要なキーマンが数人見えてくるのだ。その数人は短期的な未来に直結する働きを求められていることは間違いない。興味があるならポイントは以下の項目だ。
- 提携や新会社の設立関係
- 先進技術系関係
- トヨタ生産システム(TPS)関係
- 情報システム関係
- コネクティッド関係
- TNGA関係
- グーグル&Uberつぶしのトヨタ・タクシー
現在開催中の「第45回 東京モーターショー」。その見どころについて業界関係者から何度も聞かれたが、その説明が面倒だった。自動運転車や固体電池のクルマとかなら「ああそうですか」で終わるのだが、今回はタクシーなのだ。
- トヨタはEV開発に出遅れたのか?
「世界はEV(電気自動車)に向かっている」というご意見が花盛りである。併せて「内燃機関終了」や「日本のガラパゴス化」といった声をよく耳にする。果たしてそうなのだろうか。
- トヨタのカンパニー制はその後成果を上げているのか?
2015年4月にトヨタ自動車は大がかりな組織変更を発表。トップにヘッドオフィスを置き、その下に7つのカンパニーをビジネスユニットとして配置する形にした。その後、この新組織は成果を生んでいるのだろうか。
- トヨタとマツダとデンソーのEV計画とは何か?
かねてウワサのあったトヨタの電気自動車(EV)開発の新体制が発表された。トヨタはこれまで数多くの提携を発表し、新たなアライアンスを構築してきた。それらの中で常に入っていた文言が「環境技術」と「先進安全技術」である。
- トヨタとマツダが模索する新時代
トヨタとマツダが8月4日夜に緊急会見を開いた。その内容は両社が極めて深い領域での資本業務提携を行うもので、正直なところ筆者の予想を上回るものだった。
- トヨタアライアンスの現在地
これまで自動車業界の世界一争いは、トヨタ、フォルクスワーゲン、GMによる1000万台の年間生産台数が基準だった。そこにルノー・日産アライアンスが加わったわけだが、さらにトヨタは新たなアライアンス構築によって、唯一1600万台という巨大アライアンスへと踏み出した。
- プリウスPHV パイオニア時代の終焉
ついに新型プリウスPHVが発売された。このクルマは現在のトヨタの戦略の中で極めて重要なモデルである。是が非でも売れなくてはならない。それはなぜだろうか。
- ダイハツ製トヨタ車、バカ売れは予定通り
トヨタの新型車「ルーミー」と「タンク」がバカ売れしている。単純合計すると3万5900台で、目標の10倍になろうかという勢いである。そこまで好調な理由とは……?
- スズキはなぜトヨタを選んだのか?
先日トヨタとスズキの提携に関する緊急記者会見が開かれた。両社トップがその場に並び立った。この提携の背景にあるものとは?
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