なぜあの商品は売れた? 行列研究所が謎に迫る
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» 2017年12月06日 08時00分 公開

水曜インタビュー劇場(英国風劇場):清算された「ハブ」が、過去最高を更新している秘密 (5/6)

[土肥義則,ITmedia]

「店を存続させること」が大切

深い香りとキレが特徴の「バス ペールエール」

土肥: 2001年以降、業績不振による撤退がないことや、既存店売上高は7期連続でプラスであることは、「少しずつ、少しずつ戦略」が要因だと?

太田: 「パブ事業がおかしくなったらいけないので、いまのうちに新しい事業を始めたほうがいいよ」といったアドバイスを受けることがあるのですが、このビジネスではちょっと合わないかなあと思っています。新規事業を展開すると、多くの場合、既存事業が弱くなっていく。繰り返しになりますが、私たちは失敗が許されないので、計画通りにいっていない店舗でも立て直しを図っていかなければいけません。

土肥: どのようにして立て直すのでしょうか?

太田: 「店を存続させること」が大切なんです。

土肥: そ、それはそうでしょう。どういう意味でしょうか。

太田: 計画通りにいかない店は、パブを理解されていないお客さまが多い。もちろん、お客さまが悪いという話をしているのではなく、「パブとはなにか」「HUBはこういうお店です」ということをじっくり伝えていかなければいけません。先ほど「きちんと人材を育成したうえで、出店していかなければいけません」と言いましたが、優秀な店長は伝えることがうまい。結果、店の業績がいいんです。

土肥: 一般的に居酒屋にはたくさんスタッフがいますよね。料理する人、ホールの人、洗い場の人など。一方のHUB、料理はそれほど手の込んだモノがないので、たくさんの人は不要。キャッシュオンデリバリーなのでホール係は少人数でOK。となると、店長の育成ってそれほど難しくないのでは?

太田: いえ、そうではありません。人気のHUBに行けば、満員電車の中でドリンクを楽しむといった感じになるんですよね。そこで、統制がとれていなければ、トラブルが起きるかもしれません。でも、お客さまには「安心」を感じてもらわなければ、再び来てくれません。というわけで、店長は、この人はこういう仲間と来ているとか、この人はこういう人など、さまざまな情報を把握していなければいけません。

 店をコントロールできていないと、一時的に客数は増えるんです。「お、この店いいな。自由で」といった形で。でも、その一方で不快に感じる人も多い。「この店はダメだ」と。そういう人が増えていくと、客数がどんどん減っていく。というわけで、人材を育ててから、出店しなければいけません。

土肥: 人材を育てて、新しい飲み方を知ってもらう。そして、ファンを増やす。再び、人材を育てる、新しい飲み方を知ってもらう、ファンを増やす……といったサイクルですか?

太田: はい。

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