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コラム
» 2017年12月26日 06時00分 公開

規制か、それとも育成か:仮想通貨で資金調達 投資家をどう守る? (2/2)

[鈴木亮平,ITmedia]
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「ICO詐欺」から投資家をどう守る?

 国内外で盛り上がりを見せるICOだが、一方で投資側にはリスクもある。株式の場合、株主は経営方針に対する決議権(投票権)を持ち、株主総会などで経営陣に意見できるなど権利が保障されているが、ICOのトークン保有者にはこうした権利が保障されていない。

 また、事業者を細かくチェックする第三者機関が存在せず、事業者と投資家が直接取引を行うため、企業やプロジェクトの安定性、信頼性などが担保しづらいというデメリットがある。ICOに対する法整備が進んでおらず、投資家が法的に守られないのが現状だ。

 実際、「ICO詐欺」も各地で発生している。フィリピンで発行されたノアコインは「フィリピン中央政府の許可を得ている」と、政府関与を売り文句にしていたが、実際には政府が関与していなかったことが発覚。資金を集めやすくするために虚偽報告をしてICOを実施していた。この他にも、ICOで調達した資金をもとに実施する予定だったプロジェクトやサービスが始まらないといった事例も相次いでいる。

 こうした事態を受けて金融庁は10月、ICOについて「高いリスクがある」と注意を喚起した。中国や韓国はICOの利用を禁止することを発表したが、日本は規制については“様子見”の状況だ。

 ICOの普及は、新規ビジネスを生み出したり、起業を促進させる可能性を持つ。先進国の中で開業率が低く、イノベーションが起きないと言われている日本にとっては、ICOをうまく利用していきたいところだ。イノベーションの促進を妨げず、どう投資家を保護していくのか。しばらくICO業界の動向に目が離せない。

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