1月15日は「いちごの日」。この季節になると、食べるのを楽しみにしている人も多いだろう。この記念日は、全国いちご消費拡大協議会が「いいいちご」の語呂合わせで制定した。
イチゴなら1月5日では? と思うかもしれないが、実は1月5日も「いちごの日」だ。とはいっても果物のイチゴではない。いちご世代と呼ばれる、高校受験を控えた15歳にエールを送る日とされている。
イチゴの出荷量が最も多くなるのもこの時期。飲食店や小売店を中心に、イチゴを使った商品が増え、華やかになる。産地もPRに注力している。さらなる消費拡大に向けて、さまざまな分野で取り組みが加速しているようだ。
イチゴを使ったスイーツなどを手軽に食べられるところといえば、コンビニだ。各社ともイチゴ商戦に力を入れる。年末年始に新商品を多数投入して需要喚起を図っている。
ファミリーマートは、大手3社の中では最も多い8商品を新発売。いちごの日に合わせて、1月9日から販売を開始した。スイーツはエクレア、パフェ、クレープ、ケーキサンドの4商品。サンドイッチ、パン、アイスも4商品あり、多彩に楽しめる。
ローソンも1月9日から7商品を販売。サンドイッチ、ロールケーキ、いちご大福といった定番に加え、イチゴカラーのメロンパンやイチゴピューレを使ったベイクドチーズケーキ、ローソン限定の江崎グリコ「アイスの実 濃厚苺」などを展開する。
セブン‐イレブン・ジャパンのイチゴ商品は3商品と少ないものの、他社より早い12月末から販売を始めている。シュークリーム、どら焼き、モンブランと、ぜいたく感のあるスイーツをそろえた。
ただイチゴを食べるだけでなく、品種にもこだわりたい、という人に向けて、ネット通販サイト「築地市場ドットコム」はTwitterで「苺の断面図」のカタログを公開している。1月13日に公開した「バージョン4」では、新たに5品種を追加。形と硬さで分類し、縦半分に切った断面の写真を掲載している。色や形などの特徴が一目で分かり、品種による違いが大きいことに気付かされる。
イチゴの産地にとっても、イチゴが注目を浴びる時期は需要拡大の好機だ。
「とちおとめ」「スカイベリー」などのブランドイチゴの生産地、栃木県は、生産量50年連続日本一を記念して、1月15日から「いちご王国」プロモーションを始めた(2月14日まで)。県内の商業施設で「いちごの食べ比べ」「利きいちご選手権」などのイベントを開催するほか、首都圏の各地で協賛事業を実施。栃木県産イチゴの販売やイチゴメニューの提供などが行われる。
同じく全国有数の生産地である福岡県では、「育てる体験」でイチゴをPRする取り組みが始まった。JA全農ふくれんは、「博多あまおう」の誕生15周年特別記念企画として、オンラインでイチゴを育てることができるサービスを提供。1月15日に申し込み受付を開始した。
楽天が提供するサービス「Ragri(ラグリ)」を利用。ラグリは、ユーザーがスマートフォンから育てたい作物と育ててもらいたい生産者を選び、収穫されたら直送されるというサービスだ。生産者からの写真やコメントを確認しながら、実際に育てていく過程をオンライン上の「バーチャル畑」で見守ることができる。
今回の記念企画では、大粒イチゴ「博多あまおう デラックス」を栽培できる。「子どもがいる家庭やイチゴ好きの人に、イチゴを育てる過程を疑似体験し、それが手元に届く喜びを感じてほしい」という意図で企画したという。栽培申込価格は2200円(税別)で、申込期間は2月15日まで(先着1500人)。イチゴが届くまでには約50日かかる。
手軽なコンビニスイーツを味わうだけでなく、品種の違いを知ったり、生産者とつながったりと、楽しみ方が多様になっている。身近な果物の進化を感じることができるのも、「いちごの日」という記念日の効果かもしれない。
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